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テレワーク時代の俺たちの役割

あんたの仕事は順調かい?

このところの俺の仕事は、もっぱら「誰かの仕事」をうまく行かせるためにどうすれば良いかってやつを整理してみている状況だ。

どういうことかって?

俺たちシステムエンジニア、特にフィールドエンジニアと呼ばれるお客様と直接遣り取りをする役割のエンジニアにはありがちな話なんだが、ものづくりの現場とものづくりの内容を決める現場に温度差が生じてしまうってことがよくある。

今回は、そんな温度差について考えてみる回だ。

テレワークが推進される世の中で、俺たちはこの「熱」ってやつをどうやってシェアしていけばいいんだろうな?

ちっと一緒に考えてみようや。

仕事と距離

俺たちの業界は特にそうなのかも知れないが、テレワークってやつがものすごく推し進められている。

俺たちは毎日の通勤にものすごく多くの時間を割いている。
片道1時間として毎日2時間。その時間は給料も出るわけじゃないから、実質タダ働きみたいなもんだと捉えるやつもいると思う。

なので、俺たちはその通勤時間を有意義に使おうと躍起になっているよな。
例えば、読書をして知識の幅を広げようってやつもいるし、ひたすらスマホゲームをやりまくってストレス発散につなげようとしているやつもいる。

運良く座れればちょっとした睡眠時間に当てられるし、なんなら自転車通勤で体のケアをしているやつもいるだろう。

ただ、大抵の場合はその時間帯は「消費者」としてのGDPにしか貢献出来ていないと思うんだよな。
本を買ったり、ゲームを買ったり、電車代を払ったりってね。

通勤時間を活用して何らかの売上を上げる作業を出来ているやつってレアだよな。
セキュリティの問題があるから、電車の中でパソコンを広げて作業をおっぱじめるわけにも行かないしな。

で、そうなると、会社としては社員の生産性を上げることが急務だからこの通勤時間をできるだけ短縮したい
そこで現れるのがテレワークってわけだ。

テレワークとコミュニケーションコスト

で、このテレワーク。やることが明確になっていないとなかなかに効率が上がらなかったりする。
というか、自分が効率的に仕事をできないことをものすごく実感するってことのほうが正しいかも知れない。

普段、職場に行って、取り急ぎの仕事が無いようなケースでも、俺たちは周りの人とのコミュニケーションを図ったりして、仕事全体を俯瞰しようとしたりする。
このコミュニケーションそのものは仕事でもなんでもなくて、なんら売上を生み出していないんだが、驚いたことに「把握できた」ってことは仕事をした気分ってやつを俺たちに提供してくれる。

ところが、テレワークになると誰かとコミュニケーションするってことにコスト意識が芽生えてくる

「ああ、田中さんにあれ確認しとかなきゃ」って思っても、目の前に田中さんは居ないから、メールなり電話なりを使ってコミュニケーションをとることになる。

そこではたと考える。
「あ、電話だと相手の時間を奪ってしまうから、メールにしておこう。記録も残るし後で仕事を追っかけることもできるしね」

そうして、多くのコミュニケーションは文字媒体を経由してのものに変容していくんだな。

文字コミュニケーションで伝わらないもの

確かに文字コミュニケーションはお互いのスキマ時間をうまく使うためには必要不可欠なものだ。

解決しなければ行けない課題を共通の台帳で管理することで、「誰がいつまでに何をしなければいけないか」をこれ以上ない形で共有できる。

なんなら、redmineとかのツールで課題を共有できれば、もっとその辺の管理を明確化出来るよな。

ところが、この文字コミュニケーションも万能じゃない。

お互いの切迫感ってやつが共有できないんだよな。

例えば、「これを今日中に解決しないとスケジュールが遅延する」って時に「悪いけれど、今の仕事を一旦おいておいて、こっちを優先してくれ」ってなるケースは普通にあるんだが、そのことを文字で伝えようとしても、「なんで割り込みかけてくんだよ!?」って思いのほうが優先してしまって、全体としての効率がなかなか上がらなかったりする。

これが目の前であたふたしているやつからの頼みなら、あんたも「割り込みすんな」って感情は一旦引っ込むだろ?

こういう細かい積み重ねが全体として大きな問題を作り込んでいってしまうことって普通にあるんだよな。

相手が「ヒト」だってことを実感するためにすること

これは、課題一覧に書いてあることが「タスク」に見えてしまうために起きることだ。
つまり、その課題の先にあるヒトってやつを見ることを俺たちは忘れがちだってことだよな。

なら俺たちフィールドエンジニアは何をすればいいのか?

お客様の立場ってやつを考えて、それをメンバーに伝える。
それに尽きるのかもしれないな。

だとすれば、俺たちは技術屋であるのと同時にエモーショナルなものを伝える役割を担っているってことになる。

エモーショナルなものを伝えるヒト。
そいつは一般的には表現者って言われる類の仕事だよな。

俺たちは表現者として、メンバーにみんなの感じたことを伝え続けないといけない。
それがテレワーク時代の俺たちの役割ってことなのかもしれないな。

なあ、あんたはどうだい?

あんたの周りの奴らは仕事を「ヒト」と捉えているかい?
それとも「タスク」と捉えているかい?

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