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天国のやさしさ

マタイ5:5 ~やさしさが世界を包むときが来る~ 

世界の富裕層トップ何人かの資産が貧困層何十億人の資産と同じ、というような報道があります。土地の所有はどうなのでしょう? そして最後に地を所有することになるのは、だれなのでしょうか。

柔和な人たちは、
さいわいである、彼らは
地を受けつぐであろう。

それは柔和な人たちだ、とイエス・キリストは言いましたが、裕福さが人をやさしくするということ、なのでしょうか。。。

地を受け継ぐさいわいは、この山上の説教を聞いている人に向けて語られているのです!

やさしさが身につく!?

はじめに「さいわい」と言われていたのは、神さまに対してこころの所持金ゼロ、全くの無力感の中にある人でした。そして自分の居場所すらもない、悲しみに暮れている状況の中にいるのです。

そこから、どうしたら、やさしさを身に着けて毎日を天国のように暮らし、地を受け継ぐことができる、というのでしょうか。

「柔和」はギリシャ語「プラウス」の翻訳で、もともと、よく飼いならされている羊(家畜)を指す言葉だそうです。

食料も十分あり、危険からも守られている、安心しきっている羊の群れは、羊飼いの指示に「従順に聞き従う」のです。それが柔和。

私たちはこの世界に偶然に生まれてきて、一人ぼっちで死んでいくのではなく、天地の創造者である神に造られた存在であることを実感して生きていける時、他人に対して威嚇する必要もなく、自分を自分以上のものに見せかける必要もなく、不満をぶつけ合う必要もなく、柔和になれる。神が共におられる天国となるのです。

三千年前のダビデの詩

今から三千年前に活躍したイスラエルのダビデ王が、このような詩を書いています。

おのが道を歩んで栄える者のゆえに、
悪いはかりごとを遂げる人のゆえに、心を悩ますな。
怒りをやめ、憤りを捨てよ。心を悩ますな、
これはただ悪を行うに至るのみだ。
悪を行う者は断ち滅ぼされ、
主を待ち望む者は国を継ぐからである。
悪しき者はただしばらくで、うせ去る。
あなたは彼の所をつぶさに尋ねても彼はいない。
しかし柔和な者は国を継ぎ、
豊かな繁栄をたのしむことができる。
                       (詩篇三十七篇より)

イエス・キリストの言葉は、このダビデの詩をそのまま引用しています。ダビデ王の再来としてイエス・キリストにユダヤ民衆が喜んで聞いた言葉は、時代を超えて変わらない真理として聖書に記されてきていたものでした。

ではいったい、いつそれが実現するのでしょうか。

この世の領地獲得合戦

領地を獲得するためにこの世は力と知恵を尽くしていかに相手を圧倒するかを競います。地を継ぐためのキリストが提唱する方法は、それと真逆なやり方。キリストのこんな言葉も。

「あなたがたの知っているとおり、異邦人の支配者たちはその民を治め、また偉い人たちは、その民の上に権力をふるっている。 あなたがたの間ではそうであってはならない。かえって、あなたがたの間で偉くなりたいと思う者は、仕える人となり、 あなたがたの間でかしらになりたいと思う者は、僕とならねばならない。 それは、人の子がきたのも、仕えられるためではなく、仕えるためであり、また多くの人のあがないとして、自分の命を与えるためであるのと、ちょうど同じである」
(マタイによる福音書二十章から)

十字架に命を捨ててイエス・キリストは、創造者から離れて勝手に生きようとする人間の罪をまったく償い終えたのです。そして三日目に復活し、罪人を天国にふさわしい者にしてから、天に戻りました。

新約聖書は、このキリストが再び天から地上に来る約束を伝えます。その時に、地上は一新され、やさしさが世界を包み込む実際の天国となり、わたしたちはその地を受け継ぐ!マタイがまとめた福音書は、やさしさの実現をわたしたちに夢見させてくれるのです。

キリストの柔和さ

「柔和」は、数少ない、イエス・キリストご自身が自分の性質を言い表す言葉の一つ。

「すべて重荷を負うて苦労している者は、わたしのもとにきなさい。あなたがたを休ませてあげよう。 29わたしは柔和で心のへりくだった者であるから、わたしのくびきを負うて、わたしに学びなさい。そうすれば、あなたがたの魂に休みが与えられるであろう。」(マタイの福音書十一章から)

キリストの十字架の死と復活は、わたしに押し付けられるようなものではありませんでした。大きな花のはずなのに、野の中にひっそりと咲いていて見つけられるのを待っているかのようにある、そんな感じでした。友人から最初に聞いた時には、ほぼ受け流し。でも、種は心にとどまりました。

信じてその柔和さを心に受け入れてからの歩みは、魂の創造者の声に耳を傾ける歩みとなりました。やさしい風に包まれながら。

キリストの天国の地上実現を期待しながら、今を柔和に生きていきたいと願うものです。

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