エグい、という言葉

「エグい」という言葉を肯定的な意味合いで使う人が最近いる。正直、聞くたびにギョッとするのは僕だけだろうか。

ちなみに「エグい」の本来の意味は以下のようだ。(大辞林より)

1.あくが強くてのどを刺激するような味や感じがする。えがらっぽい。えごい。 「十分に熟していないので-・い」
2.どぎついさまを俗にいう。 「 - ・い表現」
3.気が強い。また,思いやりがない。 「根つからよめりせずに立て歩く-・い代物さ/洒落本・列仙伝」


テレビやラジオで、関西のお笑い芸人などがよく使っている印象がある。シチュエーションは様々で、驚いた時や嬉しい時、楽しい時に「エグいて〜(関西弁で)」、のような感じで使っているのである。

先日ある芸人の方が、テレビでスイーツの美味しさを表現する時に「エグい」という言葉を使っていた時は、流石に少し引いた。いや一応、公共の電波だし。言葉の用法にはもう少し気を配った方が...と思った。

とは言え、だ。自然言語については確か以前にも書いているが、人はそれぞれ言語の獲得状況が異なる。これはフッサールの「本質直観」のような話で、時に言葉が通じないという事も起こる。概念が違うのであればそれは仕方ない事であるし、言葉の使い方は時代とともに変わっていく。これまでもそうであったから、問題ないと言うことももちろんできる。

少し前の、「ヤバい」と同じような現象なのだろう。言葉というのは伝染するもので、今後、肯定的な意味合いの「エグい」が使われる事はもっと増えるのだろうと思う。実際、若いギャルなども最近使っているようだ。


これは本来的な流れなのかもしれない。ただ、個人的には遺憾の意を表明しておきたい。感覚的な話ではあるけれど。


読んでくださり、ありがとうございました。 今後より充実したものを目指していきます。