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80.10:20 写真撮影お断り!花見で見た光景からの妄想

昨日、その日がやってきた。
血液検査の結果が判明する日。
以前から脂肪肝だとはいわれていたが、果たして。

はい。
しっかりと引っ掛かりました。
肝臓の数値が良くないようで、専門医にかかることに。
ショックです。
若くはないけれど、そこまでの年ではないと思っているのに。
早めに病院の予約を取らねば。


昨日、念願の花見に行ってきた。
数日前に地元が満開になったとのことで、見ごろを逃してはならぬと息巻いて出かけたのだ。

花見と言っても、シートを広げて宴会というようなオーソドックスなスタイルではなく、名所を訪れて桜を愛でつつ写真に収めるというもの。
行ったのは、京都の円山公園。
大きな枝垂桜がシンボルなのだ。
残念ながらその枝垂桜は満開を過ぎていたが、ソメイヨシノは八分から満開に近く、それはそれは美しかった。

桜の美しさに文句はないが、土曜日ということもあり、とにかく人が多く、その点には辟易した。
祇園四条駅から八坂神社までの四条通が、観光客の方々で埋め尽くされ、動く歩道並みのペースでしか動かなかった。
普段から歩くのが早いほうなので、かなり苦心しながら丸山公園を目指した。
京都のオーバーツーリズムを肌で感じた時間であった。
円山公園についてからは、桜をこれでもかというほど写真におさめ、桜をバックに写真を撮ってもらうことも忘れなかった。

多くの観光客は国も年齢もバラバラで、「どこから来たのだろう。」「桜がすきなのかな。」など色々と想像しながら(妄想しながら)眺めていたのだが、ある高齢の男女が枝垂桜を背景に自撮りをしようとしているのが目に入った。
お手伝いしようかと思ったが、私よりも早く若い男性が、
「良ければ撮りましょうか?」
と声をかけていた。
私は心の中で、「ナイス若者!」とつぶやいた。
しかし、高齢の男性はきっぱりと
「いいえ、結構です。」
と断っていた。
若者はすごすごと引き下がっていった。

何故だろう?
絶対に第三者に撮ってもらった方が、いい写真になるのに。

私はここでも色々と想像(妄想)してしまった。
断った理由は何だろうかと。
一番の理由としては、やはりスマホ(スマホで自撮りをしていた)を取られるのではないか、という危険性を感じたからだろうと思う。
どう見ても親切そうな日本人の若者だったが、人は見た目ではない。
危機感が強い高齢者、素晴らしいではないか。

次に考えた理由は、パートナーの女性(きっと妻)に自分はできる男だと示したかったのではないかというもの(男性がスマホを構えていた)。
いつまでも頼りになる男でいたい、きっとそんなことを考えたのではないか。
なんだか素敵だ。

三つ目の理由は、若者には負けんという気概ではないか、というもの。
高齢、高齢と既に書いているが、男女は恐らく70歳以上の方々であった。
若者は、恐らく20代である。
「年寄あつかいするな!」
という強い気持ちを言葉尻から感じた。
活き活きとして良いではないか。

いくつになっても春にはパートナーと花見に出かける。
とても素敵なことだと思う。
どうか、あの自撮り写真が素敵な思い出になりますように。
そうやって、妄想を締めくくった。

日本の桜は本当に美しいが、それを見ている人間の表情も美しくて、好きだ。
桜を嫌そうに見る人を見たことがない(いるとは思うが)。

私の桜を背景にとった写真も、とてもうれしそうである。
そのあと、肝臓の数値が悪いと告げられるとはつゆ知らず良い笑顔であった。
私もこれから年を取っても、美しい桜を見に出かける元気を失わずにいたい。
その為には、まず健康である。
そうしみじみ感じた1日であった。

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