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74.9:38 決意!能面からにっこり笑顔へ

こんなことを言ってはいけないかもしれない。
でも、やっと解放された!
何から?
家族から…。
我が家に長期滞在していた母親が実家に戻っていった。
断っておくが、私は母が好きだ。
しかし、この狭いマンションで寝食を共にし常に一緒であると、かなりストレスが溜まってしまった。
自由、解放、me time、色んな言葉が頭を駆け巡る。
つくづく、「ひとり」時間が合っていると感じる。


先日、家族で京都御所に行った。
その日の目的は京都御所ではなかったが、偶然入場できることを知り入った。
一度特別公開の際に訪れたことがあったが、あまりにも前なのでほとんど記憶にない。
初めて訪れる家族もいたので、ちょうどいい機会だということになった。

狭いようで広い京都の御所。
清涼殿や紫宸殿など全ての順路を一通り回るのに小一時間かかっただろうか。
外国人の観光客もちらほらいた。
遠い昔、天皇という日本のトップが住んでいた場所。
果たして、どのように映ったのだろうか。
かの有名なベルサイユ宮殿などとは全く違う趣である。
比べる必要などないのだが、日本の美意識を少しでも理解してくれればいいな、などと勝手に日本を代表しているかのような思いに浸っていた。

そして最後に休憩所の立ち寄って、しばしの休息をとった。

いざ出発しようと、休憩所の扉を開けようとした時、外側に外国人の親子らしき女性が二人立っていた。
顔立ちと服装から東南アジアの方々ではないかと推察した。

私が扉を開けると、お子さんらしき人がにこっと笑顔をむけてくれた。
私も思わず笑顔になる。
譲り合いながら、私たちは扉から出て、彼女たちは入っていった。
その時、母親らしき方も笑顔を見せてくれた。
最後に扉を閉める時、なぜか内側と外側の両側からお互いに協力して閉めていた。
お互い笑顔になった。

この一瞬の出来事で、私はとても心が温かくなった。
それはなぜか。
やはり「笑顔」が理由である。
全く知らない人たち。
その人たちの「笑顔」がとても輝いて見えた。
そして、つられて笑顔を返した自分が、とても素敵な人間に思えた。

会えば挨拶。
厚意には笑顔。
分かってはいたが、こういう文化もあるのだなあとしみじみ感動した。

いや、日本の何食わぬ顔で親切な行為をするところも好きだ。
ツンデレとでもいおうか。
当たり前の顔をして、優しく接してくれる方が沢山いる国である。
ただ、笑顔は人を嬉しくさせるのだと、この出来事が教えてくれた。
再認識、とでもいおうか。

私はいつも能面のような顔をしている。
自他ともに認めているほどだ。
あの時、あの親子に返した笑顔が引きつってはいなかっただろうか。
少し心配だ。

笑顔がこんなに心に沁みたのは、あの親子が屈託のない笑顔を向けてくれたからだ。
私は決意した。
「笑顔」の練習をしようと。
鏡を見て、にっこり。
恥ずかしいかも。
鏡なんか見ないでも、にこっとすればいいか。
とにかく今から始めよう。
今、にこっと(いや、ニヤッとか)しながらこれを書いている。

そう、努力が必要なのだ。
私は、次にこのような機会があれば、素敵な笑顔を返したい。
そうすれば、人も自分も心が温かくなるのだから。

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