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67.9:35 アートって静かに観なくちゃいけないの?

今年もあと10日。
とは言っても、日常は平凡で、いつもと同じスピードで時間は流れている。
年末が忙しくなくなってから随分経った。
年末の休みが楽しみでなくなってからも久しい。
良いのか悪いのか。

日常の続きとして、来年もすぐに受け入れられるだろう。


先日、今月二つ目の美術展に行ってきた。
京都市京セラ美術館で開催中のMUCA展だ。

あるYouTubeを見て、面白そうだと思ったので足を運んだ。

今回は美術というより、アートと言った方が通りがいいのかもしれない。
バンクシーからカウズまでと副題にあるように、現代を代表するアーティストの作品が非常にコンパクトにまとめられていた。
コンパクトとは言っても、それぞれの作品が各アーティストの個性を十分に感じられる規模であった。
あれ以上では、やりすぎな気もする。

今回もいつも通りほぼ予備知識なしに行った。
バンクシーの作品があるということしか知らずに、と言った方が良い。
ミーハーなのだ。

さすがの人気者バンクシーから始まる展示。
画面上で見たことがある数々の作品が出迎えてくれた。
自分の思想や思考を、アートを通して明らかな形で提示している。
はっきりとしたメッセージ性が、「あなたならどうする?」「あなたはどう思う?」と自分に突き付けられているようだった。

バンクシーの区画を過ぎても、次から次にパワフルな展示が現れて、全く飽きることがなかった。
特に、バリー・マッギーBARRY MCGEEとスウーンSWOONのアート作品が気に入って、長く見入った。
この「気に入る」という感情が久しぶりで、とても興奮した。
これが好きだ、と思える自分がなんだか嬉しかった。
最近そんな感情を久しく感じていなかったから。
単調な毎日も悪くないけれど、外に出て自分の心が反応する「何か」に出会うことの大切さを思い出した。

先述の通り、比較的コンパクトな規模だったが、作品によってはその展示区画を凌駕するほどのパワーが放たれていた。
アートの持つ力を肌で感じられたのだが、それを「静かに」鑑賞する自分や人々が、どこか面白かった。
そう感じたのは、私だけだろうか。
静かな空間が少し異様に感じた。

黙って作品と対話したい人もいれば、感情を連れと語り合いたい人もいる。
そして、作品の力に抗えずに声を出して驚く人もいるだろう。
絶対に静かに観なければならないとは思わない。
今回のMUCA展はがやがやした雰囲気も似合うのではないかと思った。
しかし、自分の為だけの美術展ではないのであれば、「気遣い」の精神は必要。
自分と同じように、他の来場者も「何か」大切なものに出会っているかもしれないのだから。
日本はおおむねそれが出来ているところが良いと思うのだが、今回は少々静かすぎて驚いた。

期待以上の美術展だった。
写真、動画の撮影も許可されていたので、気に入った作品は写真に収めた。
欲を言えば、もっとグッズが欲しいところ。
また、こういったアートコレクションを展示する美術展に足を運んでみたい。
次は東京で開かれるMUCA展、ぜひ訪れてみてはいかがだろう。

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