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深煎り入学式【毎週ショートショートnote】


浅煎り課程を修了し、僕は深煎り課程へ進むことにした。今日は深煎り入学式である。

ここでの課程を終えると、晴れて僕は深煎りコーヒーとして世にでる。

倍率200倍の難関を潜り抜けた超エリートスーパーエターナル深煎りコーヒーフォーエバーになるのだ。

仲間は
「おれは1日でも早くカフェで提供されるんだ!」
とか、
「浅煎りでも深煎りでも等しくコーヒー豆だよ、なんで院へ進んでまで深煎りについて学ぶの?」
と至極ごもっともな意見をたくさんくれた。

でも、僕のようなコーヒー豆は浅煎りでは真価を発揮でない。
奥深い香り、ローストしたナッツのようないつまでも舌に残るコク、浅煎りでは決してできない。
そう、俺は深煎り界の覇者となる!!!

…一人称が変わるほど興奮してきた。ずっと憧れていた深煎り課程に入れたのだから当然だ。

だが不思議なことに気付いた、

周りはやけに小柄なやつがおおい。
近くの立て看板をよーく見ると深煎りのあとに小さく「ごま」と書いてあった。


<所感>
入学式はいつも雨。


以下の企画に投稿しました。

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