コーヒー占い。
いつものカフェで食後のコーヒーにミルクを入れ、コーヒーに上に出来る渦模様をほんの数秒眺めながら、「そういえば、トルコにはコーヒー占いなんてものがあったな」などと思い出す。
実際にコーヒー占いをやってもらったことがあるわけではなかったと思うし、もしかしたらテレビでの情報でしかなくて。記憶などというものはその程度曖昧なものであり、特に私の記憶力というのは酷く、現実だったのか夢だったのかももはや分からなくなることがあるから、まあ常に迷子だ。
雨が降ったり止んだりのこんな薄暗い日には、さらに現実と夢の境目が曖昧になる気がして、でもそれは、カフェのオレンジのダウンライトのせいかもしれないとも思う。
道路の白線の横にできた水たまりに雨粒が落ちて、リズムを奏でている。まるで音楽がそこから流れてくるかのように。そうやって、人は世界を見たいように見ていることを実感するのです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?