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好きな本を読もう。

学生時代はもっと本を読むことが好きだった気がする。勉強や部活などやらなくちゃいけないことがある中で、学生なりにストレスを感じていて、そのストレス発散のひとつが読書だったように思う。テスト期間が終わると、その帰りに図書館に寄って読みたかった本を貸し出し数の限度まで借りて帰っていたような気がする。

それなのに、最近は、本は「読みたいから読む」ではなくて、「読んだ方がいいらしいから読む」に変わってしまっていた気がする。選ぶ本も「(仕事のために)読んでおいた方がいいんだろう」とか「(みんなが読んでるから)読んだ方がいいんだろう」とか「(ベストセラーになってるから)読んだ方がいいんだろう」とか「(新たな視点を与えてくれるから)読んだ方がいいんだろう」って感じで、思うようになってた気がする。純粋に「好き」って気持ちで本を選んでいなかったと思う。

そうしているうちに、いつからか本を読むことは楽しいどころかストレスになっていった気がする。仕事でもストレスを感じ、プライベートでもストレスを感じるようなことが続いてたから、何だかずっとイライラしているような人になってしまった。

8月は結構「読みたい」と思う本を手に取って読んでいた。そして、あんまりあれこれ手を出さずに、1冊1冊読み切ってから次、という感じを心掛けていたら、なんとなく読書にリズム感が付いてきた気がする。

もっと好きな本を読もう。

私はもっとたぶん恋愛小説を読みたいんだと思う。江國香さんとか辻仁成さんとか。海外の作家よりも、日本人が海外に行って、そこで色んな出来事に遭遇するというような小説も好きなんだと、吉田修一さんの「あの空の下で」を読んでいて思い出した。「冷静と情熱のあいだ」とか「右岸」「左岸」とか「サヨナライツカ」とか。映画「新しい靴を買わなくちゃ」が好きなのも、そういうところなのかもしれない。ヨーロッパへの憧れも強いんだよなあ、やっぱり。

本を読むことだけじゃない。全てのことがそうだ。「大人なんだから」「いい歳なんだから結婚しなくちゃ」「ゲームなんかやってる場合じゃない」「いつまで夢を見てるんだ」「もっと現実を見なくちゃ」「テレビばかり見てちゃいけない」「お金を稼がなくちゃ」「仕事をしなくちゃ」「勉強をしなくちゃ」「朝はちゃんと起きなくちゃ」。

そうやって周囲の目を気にしては自分自身をがんじがらめにして、息をするのも苦しくなってた。何だか正直、どうして生きてるのかも、もうよく分からなくなってしまっていた。

なんで、我慢してたんだろう。
誰のために我慢してたんだろう。

もっとちゃんと自分の気持ちと向き合って、もっともっと好きなことだけをやる時間を増やしていこう。それが周囲からどう見えてもいいじゃない。怒られても役に立たなくても、私にはその時間が必要だ。そういう時間をちゃんと作って、ちゃんと自分が満たされれば、きっとそのうちそれを誰かに分け与えたいと思う日が来るのだから。

#小説  #エッセイ #ポエム #哲学 #のようなもの

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