ブンガクフリマ

【読書記録】「ブンガクフリマ 28ヨウ」

このタイトル・・・でもこれがいい。

偶然のノリ?で出来た冊子は、私の心を躍らせる。

体調崩して「文学フリマ」を諦めた為、

冊子となった紙媒体は手に入れる事が出来なかった。

電子書籍となり読める事となった小説たち。

(文章はつたないけれど)感想を書かねば。


田中 泰延さん
『ウリコ トバニ  カイコ トバ』(前書き)

なんだか、もう、読む前提だから「買っちゃった」

でもね、なんだか「へぇ~、そうなんだねぇ・・・」って普通に思ってた。

最後で

「あ、そうですよね」ってくすくすと笑った。

「そうさせていただきます。」

「読ませていただきます。」


燃え殻さん
『わたしのしぶとい生命線』

なんだろうか・・・わかってるのに往生際の悪い、というのか・・・どうしても切れない関係。

結局、私は変えられず、男が去る。

これって、私にも言えるんじゃないか、って思った。

結構、終わらせられず「何とかなるんじゃないか」って思う事があるから。

そしてその女性は意外な事に渡り歩けたりしてしまう。

最後はちょっと「仕事モード」でそれなりにこなしてしまってる。

思わず

「いいのか、その生活で」

って言いたくなる。

表の姿と裏の姿を持った女性。沢山いるだろうけれど。「仕事に就けて良かったね」とも言えない、でも「結構しっかりやってるよね」という気分にもなる。

すっきりとした感じでは終われない、でも後味は悪くない、不思議な気持ち。


熊谷 菜生さん(挿絵)

どこを見ているんだろう。相手でもなく、勤め先の所でもなく・・・

なにを考えているんだろう

教えてほしい、いや、教えてほしくない...

1枚の絵の目線がすごい気になる。


山本 隆博さん(@SHARP_JPの中の人)
『ラブバード』

インコと人間の生活。なんとなく現実の生活感が

文章に見え隠れしていて、実際の出来事に少し架空の

出来事が入っている感じに見えた。

(このnote書く前に、実際のインコの事について

発信されていた。そういえば・・・たまに見てた。)

インコはどういう気持ちだったんだろう。

インコとしての愛情表現を最大に表現して。

でもきっと全部は伝わらなくて・・・

作品に出てくる男も、淡々とちょっと機械的に

(私には)見える生活の中でインコと戯れる時間が

ちょうど良いように見える。

そして突然の空気の変化を感じた男のざわつき。

今、男はどんな気持ちだろうか。

もうインコの居ない空気に慣れたのだろうか。


末吉 宏臣さん
『横断歩道の呪い』

この方を知ったのは「#箕輪編集室」の初期のインタビューだったけれど、

そこからnoteの記事を結構追いかけている。そして今私が毎日更新をするきっかけも、末吉さんがきっかけ。

「小説を書きたい」という夢があるけれど、それに対して「文章を書く」事をコツコツやってきた人。だから私も「いつかエッセイや文章を書ける人になりたい」って思って「あ、コツコツやっている人が居るんだから、私もなんとか更新していかなくちゃなぁ」という思いから、内容はどうであれ(今は、日記が殆ど。)呟きであれ、テキストであれ、今毎日note更新を続けている。

きっかけを与えてくれた人のデビュー?作は絶対に見なくては!と思ったのが今回の購入だったのだ。

作品の主人公は、とんでもなく優しい人だと思う。

文章には普段の生活は殆ど書かれていないけれど、優しさが滲み出てる。あまり人との交流は多くないだろうけど、きっと好かれている。

笑顔はきっと素敵な人だ。

なんとなくストーリーは「そうくるかも」な展開が見えたけれど、電車の中だから泣くの耐えた。

きっと、あの時見つけた虫は、使者だったんだ。少し手荒い業かもしれないけれど、自分の為の時間を作る様に休憩させてくれる場所も提供してくれたんだと思う。

物語が優しすぎる。そして末吉さんらしい。


浅生 鴨さん
『イマムラ』

タイトルではどんな話になるのか想像がつかず、最初の方は「どんな物語なんだろう」って思いながら読んだ。

徐々に、小さい頃の思い出と一緒に読み進めた。同じではないけれど、内緒のような・・・自分だけの秘密。

物語が進むにつれ、主人公の心の中の焦りが手に取る様に伝わって「どうなっちゃうんだろう」って一緒になって怖がった。

大人とはちょっと違う、小さい子の恐怖。でも「あれが理由だ」という気持ちや、捕まるかも…という恐怖は、全く別の事だけれど、私も恐怖だった事があって、その時の事を思い出した。どうしたらいいのか、自分のせいなのか、どんな事になるんだろう・・・不安でしかなかったあの時の事。

恐怖が安堵になった時、堰を切ったように泣きじゃくる様子は、こちらも安堵した。

最後、不思議な事になっていたけれど(うまく表現できない)、きっと大丈夫。無くなっていたけれど、大丈夫だよ、って言ってあげたい。


ゴトウマサフミさん(挿絵)

普段は仲良しなんだろうな。

私は物語のあとにしっかり絵を見たけれど、

きっとこの二人はこの後、今回の出来事でお互いに

優しくなれると思う、そんな絵に見えた。



「小説」って考えるとどうしても「長いもの」という印象がある。でも、短編小説って短い中で読者の頭を現実と空想の世界に連れて行ってくれる。面白いな、って思う。昔推理小説を沢山読んでいた頃からかなり離れてしまって長編が読めていない中、沢山の空想を描くことができた。

またこの方々の作品が読みたいな。

また現実と空想の世界に連れて行って欲しい。

待ってます。



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