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7日間ブックカバーチャレンジ(1/7) : 勝見勝『生活の色彩』(昭和31年11月15日第1刷発行), 河出新書

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稀代の美術評論家であり、1964年の東京オリンピックでデザイン専門委員会委員長として、当時最高のデザイナーたちで構成されたドリームチームを組織し、デザインのディレクターとしてもご活躍されたという勝見勝さんのことは、今入手できる文献も少なく、断片的に言及された文章を見かけるばかりでした。

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この『生活の色彩』は、中古書店で見つけては買い集めていたデザイン書籍のうちの一冊です。色彩に関する教科書のようでもあり、随筆集のようでもある本書は、本文中には一ページもカラーの図表がなく、文字のみで色彩に関する様々な事柄について、勝見さんの色に対する視座が語られていきます。文字をたどりながら色を見て、景色を見ていく体験は、谷崎潤一郎『陰影礼賛』のような想像力による内観をはたらかせるような趣さえあります。

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とても興味深かったことは、勝見さんは「黒と緑」の配合(配色)を子供の頃から好んでいらっしゃったということ。そういえば、私が新卒入社した戦略デザインコンサルタント会社PAOS(中西元男事務所)は、黒と緑を用いることが多かった。勝見勝さんが亡くなられてから創設された「第一回勝見勝賞」受賞者でもあるPAOS代表の中西さんは、勝見さんからも多大な影響を受けていたのだろうか。それとも色彩の必然的な帰結なのだろうか。

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ご存知の方も多いこのブックカバーチャレンジは「読書文化の普及に貢献するためのチャレンジで、参加方法は好きな本を1日1冊、7日間投稿、都度1人の友人にバトンを渡す」というもののようです。 松野 克彦さん、バトンありがとうございます。誰かから回ってくるかなーと思っていたので、嬉しかったです(笑)。

私は、少しアレンジして「カバー、目次、奥付」の画像と、一言コメントを紹介していきます。また、友人周辺ではすでにバトンが回ってきた人も多いようですので、バトンは回さないことにしようと思います(回して欲しいという方がいなければメッセください/笑)
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河出書房新社

*Facebookに投稿したものを転載しています。


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