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『ヨーロッパのペットボトルとキャップは一生添い遂げる運命』

猛暑の日本列島にはおよびませんが、『地中海性気候』と学生時代に筆者が習ったイタリアも厳しい暑さを感じる夏が続いています。それでも、去年の暑さに比べれば、随分と過ごしやすい気がします。

熱中症対策だけではなく、水分補給に欠かせない水、そのほかの飲み物でペットボトルで販売されているものが多いですが、ここ最近でやたら飲みにくい、グラスに注ぎにくくなりました。
理由はすごくシンプル、ペットボトルのキャップを開けると、これまで外れたキャップがボトルから外れないのです。
少し強引に引っ張ればハズレますが、キャップがボトル口にある状態で飲むまたはグラスに注ぐことになります。
2024年か発効されるEU指令のためなのです。まだ発効までに期間がありますが、消費期限が長い飲み物は、在庫が出回ることを考慮して進められているようです。適用されるのは3リットル以内の容量のペットボトルなのですが、一般的な飲料には適用される前提なのだと思います。

1980年代にスチールまたはアルミ缶飲料のタブがステイタブになったことがあります。これは缶入り飲料を開けた際、タブをポイ捨てするからの理由で改良され、義務づけられた経緯があります。
要はそれと同じでペットボトルを開けたあとにポイ捨て防止からペットボトル飲料もキャップが本体から外れないようにするという取り組みです。
私個人の感覚だと、日本だとあまりポイ捨てする人がいない印象なのでオーバーなと思うのですが、欧州でもポイ捨てする人は少なくなった?とは言え、一度地面に落ちたものを拾う行為をしない、イヤがる人が多い印象があります。小さな変化なのであまり気にならない人が多いかもしれませんが、グラスに注ぐ場合はちょっと注意が必要で、固定されているといいつつもキャップ部分と繋がっているだけなので、ボトルとは別だから場合によっては動いてしまいます。注いでいるときに動くと最悪でもちろんこぼれたり、うまく注げなかったりします。
 
話が少しそれますが、イタリアに限らず欧州では市場での果物や野菜の量り売りが主流です。また、スーパーでも自分で必要な量を備え付けの袋(生分解性袋)を取り、そこにそれぞれの種類の野菜や果物を入れ計量し、出てくるバーコートシールを貼りつけます。この袋も有料で最低1セントです。市場などは紙の袋を計量に使用していることも多いです。

何より驚くのが、日本と比べてアルミ缶に入った飲み物が高額な点でしょうか。例えばビールですが、アルミ缶の方が割高で、瓶の方が圧倒的に割安です。さすがにミネラルウォーターの瓶入りは重いので、瓶入りは飲食店で提供していることが多いです。
また、パッケージ商品も紙箱が使用されていることが多いのがイタリア式、欧州式でしょうか。


環境やゴミ問題、将来を見据える対策なのかもしれませんが、これができるのも多少なりともそもそもの気候も関係しているような気がします。
日本で食品を保存する場合、湿度の問題があります。あとイヤな「ゴXブX」の登場、でもここは日本とも気候が異なり、そもそも家に保存ラップや保存袋がない家庭もあります。ラップの代わりに皿の上に皿で蓋をするなんてこともあるのです。
よく口にするパスタ、保存するのは紙製の箱、しかも蓋がきちんと閉まりません。容器に入れて保存するのは、日本と事情が逆なことが多いかもしれません。湿度を防ぐケースもありますが、そもそも乾燥を防ぐ方に重点が置かれている気がします。
ちなみに湿気と関係しますが、日本で販売されている食品には乾燥剤の小袋が入っていることが多いです。これは日本の気候が大きく影響していると思います。逆に欧州では使用されていません。食品に関する規定、表示義務などが厳しいからなのだと思いますが、その手間や責任を考えると入れなくてもいいかなのかもしれません。
 
難しい話は抜きにして、暮らしの中でマナーを守る、できることをやってみる、特別なことはしなくても気楽に心がけることが大切なのかもしれませんね。

『L'essenza della vita(レッセンツィア・デッラ・ヴィータ)~ 暮らしへのエッセンス ~』


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