世の中の仕事に共通すること【8時間労働】

東京のある小学校で6年生向けのキャリア教育の授業を行ったときのこと。

僕は講演会や授業がある度に、空気を感じながら話をする。受けた感覚をもとに、舵取りをしながら話を展開できるように準備しておかないと、結局は自分だけの思いになってしまう。できることなら届けたい。だから、伝えたいことと同じぐらい空気を感じることにエネルギーを費やす。

そんなつもりの僕も、このときの授業では、おったまげた。旅での体験や出会いについて話したあと、2コマ目の授業の冒頭にぼくはこう質問した。

「僕ってこれを仕事にしてるのかな?それとも趣味なのかな?」

仕事2割。趣味8割。といったところだった。ほう、じゃあ次だ。

「じゃあなんでそう思うのか、意見を出してみよう!」

趣味派:そんな仕事聞いたことない。好きを仕事にすると好きじゃなくなるから、西川さんはあえて趣味にとどめている。いや、趣味でしょ。etc

仕事派:やっていることがすごい。たぶん有名な人なんだと思う。

趣味派に対して仕事派の意見の抽象的なこと。とは言え十分想定内。だいたいどこで講演しても趣味派が圧倒的多数だ。ここで、「講演後に校長先生からお給料をもらっちゃうんだー。だから仕事!」と発表し、軽い驚きとなんとなくずるーいみたいなブーイングをもらうのだ。

仕事だということは伝えられたから、次のステップ。ここで終わったら、あんたやからできるんやないか!と思われてもおかしくない。次のステップはこれ。

「世の中にある仕事ぜーんぶに通じる【これ】ってなにがあるだろう?」

すこーし考えてもらって発表してもらった。なんでも来い!どんと受け止めるから!と発表してもらって2回連続のけぞった・・・

「1日8時間仕事をすることです!」

「上司と部下がいることです!」

びっくりした。顔には出さなかっただろうけど、ほんとにびっくりした。まさかそこから来るとは・・・。今日の授業は午前中で終わって、僕は昼から遊ぶことを説明して、フリーランスでやっているから上司も部下もいないことを説明して、軽い驚きとともに受け止められて先に進めた。

「お金がもらえることです!」←よかったー!出た!

「人(社会)の役に立つことです!」←これ出たとき涙がでたかも・・・

そのふたつが出たところで、好きを仕事にと、好きなことだけやってりゃ仕事になることの違いを説明して、だから社会が変われば仕事が変わることを説明した。なーんとなく、イメージとして仕事観のようなものを掴んでもらえたら僕の場合はOKだと思ってる。小6のいま持ってる夢(職業)が、彼らが成人する頃に無くなってる可能性なんて大いにあるからだ。

21世紀を生き抜くチカラ。世界で活躍する人材。クリエイティブ。

文字としてはかっこいいかもしれんけれども、僕が子どもたちと関わりながら感じることは、ほんとに彼らはそういった多様な考え方を持つきっかけや、経験や、考える機会のある環境で学んでいるのだろうかということ。キッチンに多様な食材や調味料がなければ、思うような料理はできない。

僕は、いまの学校教育で、カリキュラムガチガチで、ほんとに忙しくて休みも出勤している先生にその役割を押し付けてしまうのは、すんごく難しいことだと思う。だからもう少し学校が社会と繋がる仕組みを持ったり、教師以外の社会人が授業に関われるようになったりしたほうが、【多様性や国際性を持つ】【社会のニーズや課題をつかみ解決する】教育にはずいぶんとしっくり来るような気がする。

だからこそ、こんな僕みたいなヘンテコリンを呼んでくださる教育委員会や学校があることが本当に有り難いし、もっと言ったらほとんど感謝しかない。だって子どもたちに向き合う時間と空間をいただけるんだもの。あとは彼らとガチンコ勝負だ。

僕はこれからの社会を担う子どもたちの足だけは引っ張らないように、日々彼らの心をすこーしだけでも軽くできたらいいなぁと思いを伝えに学校に行っている。

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西川 昌徳

旅するように、生きること。

自転車で地球を走りながら、生き方の冒険をしています。旅のなかでの気づきや、日々生まれる思いを、なるべくありのまま綴ります。