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リーアム兄〜さん!

人は変化を求める生きものだ。
しかし、極端な変化は誰も望まない。

通勤に使う足として、最も多くの人々が利用しているのは電車だと思われる。
だが、身分は知らなくても、顔見知り程度で会釈するほどの仲とはいえども、顔を見るなり「この人は次の駅で降りるなぁ…」「昨日は緑色のネクタイだが、今日は赤だから会社のプレゼンなのかな…」などといった他愛のない想像は日常にはありふれた光景だと思う。

突如、突然嵐の如く、普段と同じ様に会社に着くなり、与えられた仕事をこなしている最中に上司に呼ばれ、「ええと、あんたはよく働いてくれた。でも、もういらないから明日からこんでええわ」と言われたらどうする?!
「そりゃぁねえぜ!セニョリータ!」では済まされないのは当然だ。
こういった場面から始まる映画が邦題「トレイン・ミッション」だ。

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会社からお払い箱となったマイケルを演じるリーアム・兄さんいや、ニーソンは、勤続10年のベテラン選手だ。
それに上司からお払い箱になった具体的な理由を聞かされないマイケルは、途方に暮れながらも家族への言い訳を考えながら会社を後にした。

いつもの様に陽気な顔で家に帰れないマイケルは、半ばふてくされる様子で夕方を待たずにバーでビールを引っ掛ける。
しばらくすると元部下が隣にやって来る。
マイケルの前職は警察官であった。
警察官時代の後輩に当たる。

マイケルは事の一部始終を元部下に伝えると、昔はだいぶ世話になったから、今度は恩返しをさせてくれと申し出る。
マイケルは恩義など考えておらず、元部下の気持ちだけ掬い取っていた。
だが、ここがとても重要なキーワードだ。
元部下の言葉が作品の終盤に不可欠となるからだ。

マイケルと元部下が居合わせたバーに元同僚も居合わせていた。
元部下曰く、「あいつは上手いこと出世したんだ」とマイケルに告げる。
「最近は所内でも腐敗が続き、人を出し抜いてまで派閥や権力に縋る連中ばかり」だと元部下が不平を漏らす。
出世した元同僚はマイケルに近付き軽い挨拶を交わした後、「元気そうだな。まだ保健会社か?それより、あいつ(元部下)には気をつけろよ…」などと意味深な言葉を残した後、マイケルはその場を去る。

で、マイケルはいつもの様に通勤電車に乗り込もうとすると、辺りは物々しい空気が流れる。
つうのも、電車内に乗り込む人々の荷物をチェックしているからだ。
マイケルと他の乗客らはどういった経緯があっての行動なのかを疑問に感じながらも、荷物の中身を見せて社内に入ろうとする。
すると反対方向から男と出くわし「どこを見ているんだ!」といった暴言を吐かれつつ、マイケルは車内に乗り込む。

だが何かが違う。
周囲を疑うマイケルは上着の内ポケットを確認するが、あるはずの携帯電話がない。
そうだ!さっきのすれ違いザマにすられたのだ!と気付くも、時すでに遅し。
社内のドアが閉まり、適度に混み合った中をマイケルは渋々と中に入る。

混み合った車内を避けたマイケルは空いている座席に腰掛ける。

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間もなく、見知らぬ女性がマイケルに近づき話し掛けられる。
最初は互いの他愛のない会話が続いた後、女性の口から私的な質問が並べられる。
ある人物を探して欲しい、名前はプリンだ。
そして荷物にこれ(GPS)を付ける事。
そうすれば報酬として大金を差し上げようと持ちかける。
マイケルは半信半疑で目の前の女性が言い放つ言葉を整理しながら聴く。
前金としてトイレ内のどこかにあるから、それを受け取った時点で物事が成立すると言うと、女性はその場を去る。

マイケルは疑いながらもトイレに入る。
大金のある場所が見当たらないので、やはりいたずらかと思っていた時、下の位置にある通気口から流れる風が不自然だと悟ったマイケルは、すぐに確認する。
すると女性が言っていた様に大金の一部が入っていた。
そして、マイケルがこの大金を手にした所から物語が進む。

マイケルの心情を思うと、つい先ほどに会社からクビになり、この先どうすればいいのか判らず、本能のまま金を受け取ってしまったのだ。

この先はマイケルを苦しめる展開となる。
真相に近づくに連れて答えが袋小路と化すも、事実が不透明だ。
その挙句、乗車していた人の携帯電話からマイケル宛に連絡が来る。
即座に応答したマイケルは我が身を疑う。
その理由は、マイケルの妻と子供を何者かが奪ったと告げられるからだ。

その後、マイケルは元部下に妻と子供の様子を確認して欲しいとメッセージを残す。

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マイケルの弱みに漬け込んだ女性の指示は徐々にエスカレートする。

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最終的に標的であるプリンを殺せと指示したのだ。
流石のマイケルもこの指示には対応できなかった。

次に襲いかかる罠は、乗客もろとも犠牲となる事故に見せかけたハプニングだ。
車両は終点を待たずに運転手が殺され、更にブレーキが効かない状態で列車は暴走する。

マイケルは乗客に事の真相を告げると、その場に居合わせた人々が一致団結すると列車の先端を分断し、後ろの車両に移ろうと大胆な計画に打って出る。

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物事はそう簡単には進まなかった。
車両の切り離しには成功したのだが、補強していたチェーンが絡み離す事ができなかった。
そこで乗務員とマイケルは協力し合い、より大胆な行動に出る。

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乗客全ての一命に問題はなかったのだが、次に襲いかかる罠が…

この先は本作を観て欲しい♪
元同僚で出世したサム・ニールも抑えた演技力がとても良い☆

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それにしても、リーアム・兄さん…いや、ニーソンはアクション俳優としてもイケる口となったモンだ。

個人的には「シンドラーのリスト」に出演していた様な派手さのない英雄を演じて欲しいと願う。

因みに、この作品は電車内の出来事が大半である。
ほぼリアルタイム形式で進む、現実味のあるサスペンス寄りのアクション映画に期待してもOK牧場だ!

わーお!

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