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ロールス・ロイスは、車じゃなくて飛行機の会社なんですョ。〜ホーカー・シーホークとニーン・エンジン。

皆さん、ロールス・ロイス社🇬🇧といえば、高級車のメーカーだって思ってませんか?
いーえ。実は、クルマはもう作っておらず、主に航空機エンジンのメーカーなんですョ。

いやいや、ロールス・ロイスのクルマ、売ってるやん!

って言われそうですが、今のロールス・ロイスのクルマを作っているのは、 ドイツ🇩🇪のBMWです。

そう、元々は航空機とクルマの両方を作っていましたが、経営破綻してクルマ部門を売っちゃったんですね。

で、元々のロールス・ロイス社の経営を支えるのは、航空宇宙産業。売上の約半分を占めてるようですね。

今日ご紹介するのはそのロールス・ロイスのエンジンを搭載する、

ホーカー・シーホーク。

これです、ドーン💥 

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翼の派手なシマシマは、敵味方識別のため。目立たないように塗装する今とは全く違う、古き良き時代の塗装ですね。

今や軍用機のエンジンはほとんどジェット。プロペラ機は非常に少なくなりましたが、このシーホークは、まさに

"ジェット黎明期"の機体。

原型機の初飛行が1948年といいますから、終戦直後のことですね。
このシーホークに搭載されているエンジンが、傑作といわれる

ロールス・ロイス・ニーン

エンジン。
何が傑作かって、1944年の出現当時、世界最強級のパワーと信頼性を発揮したってことらしいですが、ボクが気になったのはそれより、

"ニーン"って何よ?

ってこと。英和辞書めくってもそんな単語載ってないよって。

答えを言っちゃいますと、
ロールス・ロイスは自らが開発したジェットエンジンに、イングランドを流れる

川の名前

を付けたんですね(River Nene)。

なーんでか?(©️堺すすむ)

それはね、(©️堺すすむ)

ライバル会社が作るエンジンに比べて、ウチのは川の流れのように

滑らかに回りますよ!

ってことらしい。なるほど、固有名詞なら、辞書引いても出て来んわな。
ただ大戦中の日本の軍艦のように故郷を思う感じの命名法とは、少し違うようですね。
なおニーンの一つ前のエンジンは、
"ウェランド"(River Welland)でした。これも、川。

ちなみに、ロールスのクルマはオバケの名前ですけどね。"ファントム"とか"ゴースト"とか"レイス"(生き霊)とかね。

怖わっ。

さてせっかくですので、シーホークの特徴をば。
まず、ジェット黎明期の機体ですから後の高速機のような後退翼じゃない。ほーら。翼は真横に出ています。

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対戦中のプロペラ機のような翼の形ですよね。マッハ世代の戦闘機はこんな感じ↓で翼に後退角が付きますから。

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ただ全体的なデザインは洗練されていてクリーン。↓

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コックピットもプクっと上に突き出ていて視界も良さそう。丸い垂直尾翼など、英国機らしさも兼ね備え、カッコカワイイ。
機首のデザインなんかは後のハリアーにも通じるかと。↓

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海軍機(=艦載機)なので、艦上でのスペースを稼ぐため、翼が畳めます。↓

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↑ブハーッと煙が出ているのは、火薬カートリッジを使ったエンジン始動時の写真ですね。昔のジェットエンジンは、火薬が爆発するときの高温高圧のガスでエンジンを始動させていたのです。

戦闘機としては、後に、デ・ハビランド・シービクセンなんかに置き換えられていきますが、シーホークは1950年代の後半まで、英海軍を支えた主力機でした。 

いつも参考にさせてもらう帆足孝治さんの"世界の傑作戦闘機50〜70’s"はこちら。もちろん、シーホークも載ってます。↓

また、ありがたいことに、こんな古い機体でも、新品でダイキャスト完成品やプラモが手に入ります。↓

それでは、またー!



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