2022年10月の書いたものまとめ

まとめてみたら悲しくなるほどに書いていなかった。反省。しかし、言い訳がないわけではない。表に出ない仕事(といっても何も悪いものではない)をやっていたのだ。この手の裏方仕事は、自分を頼ってくれている人がいるから生じるわけで、(たいていの人がそうだと思うが)頼まれるのはやはり嬉しい。また、裏方仕事をしていくなかで、自分自身、勉強になることや、なんとなく感覚的に処理していたものを言語化することになる。発注主にはきちんと言葉で返すわけで、何がどうしてどうなったのか、きちんと言語化するのは、ほんとに大事なもんだと痛感。

①彼女たちの悩みーー村田沙耶香『ハコブネ』(集英社文庫)書評

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里帆と知佳子の2人の視点人物が交互に語る。ファミレスのアルバイトをする里帆は、自分のセクシュアリティに不安を抱いている。好きな男を恋人にし、セックスしても不快感しか抱けない。じゃあ同性愛者なのかと思い、同じバイトの後輩女子と性的な関係を試そうとするものの、自分の性欲はこれではないと気づく(または、絶望する)。第二次性徴期からやり直すべく、ショートヘアのウィッグと胸を目立たなくするタンクトップを身につけてみる。街にでる自信はないが、ここならばということで通っているのが会員制の有料自習スペース。そこで、ファミレスの客として出会ってもいた椿と、その友人・知佳子と出会う。

②オンライン配信で吸い上げられないノイズが宿るミュージックーーサラ・ピンスカー『新しい時代への歌』(竹書房文庫)書評

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「アフター」と呼ばれるパンデミック/テロ以後の世界に生きる人々は、VRヘッドセット(フーディ)を装着し、学校から就労先へはアバターでオンライン参加する。家族以外の人々とほぼ接することなく生活できる世界が到来し、それが当たり前(ノーマル!)であると思っているローズマリーが一人目の主人公。彼女はオンライン空間上に作られたライブ空間でライブ演奏=配信をする会社、ステージホロライブ(SHL)に転職。SHLと契約してくれる新しいミュージシャンの発掘業務を言い渡される。人が集まること(参集)はご法度となり、ライブ会場が消滅した世界で、ローズマリーはどうやってミュージシャンを見つけるのか? 彼女自身、人ごみ・群衆を避けるように徹底的に刷り込まれているので、街へ出て公共交通を使うことに抵抗感は覚えるし、多すぎる人を見ると病気やテロのことを気にせずにはいられない。

①900 ②1500
合計2400

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