2022年7月の書いたものまとめ

①本、あるいは言語的可能性を帯びた物体 ーーレイ・ブラッドベリ『華氏451度』(ハヤカワ文庫SF)評

ディストピア古典3作品と個人的に呼んでいるものの1つ。他はオーウェル『1984年』ハクスリー『すばらしい新世界』。これにザミャーチン『われら』を加えて古典ディストピア四天王と呼んでもよいかも。
検閲・焚書がテーマ。ディストピア社会でのメディアやプロパガンダの問題を扱っている。今読むと本という物質的メディアへのロマン主義にあふれる。ラジオやテレビで堕落するというのであれば、スマホなんて持って他だな…。

➁シンギュラリティ…よりも恐ろしいもの ーージャン=ガブリエル・ガナシア『虚妄のAI神話 「シンギュラリティ」を葬り去る』(早川書房)評

タイトルがすべてを物語る。シンギュラリティは来ない。少なくとも、シンギュラリティを喧伝するものたちが考えるような。前提となるムーアの法則は科学的仮説たりえない。じゃあなぜ彼らはシンギュラリティの希望/危機を繰り返し語るのであろうか?

➂エアリプと平野啓一郎『ドーン』

https://note.com/ebiharayutaka/n/nf1c792b0066f

分人主義っていうのは実に面白い、と思う。が、その不可能性が出ているのではないか? という話。

➃情報を集めれば集めるほど遠のく「透明化」 ーーデイヴ・エガーズ『ザ・サークル』(吉田恭子訳、早川書房)評

平野啓一郎とセットで読むと面白い。両極端に振れている。

⑤捨てても捨てても捨てられないものはなんだ? 羽田圭介『滅私』(新潮社)評

https://shimirubon.jp/reviews/1708468

たまに読みたくなる作家、羽田圭介。

⑥1984年+100=2084年 ーー日本SF作家クラブ編『2084年のSF』(早川文庫JA)評

https://shimirubon.jp/reviews/1708499

日本SF作家クラブのアンソロジー第2弾。いうほど1984年していないかも。

①3000 ➁2000 ➂5000 ➃5000 ⑤1000 ⑥1000 合計17000

7月は前半がんばったが後半失速したかも。
8月は前半むっちゃ暇なんだけど、その時間をほんと「暇」にしてしまって、反省。暇になったらこれやろうあれやろうと思っていても、結局、だらだらと「暇」を満喫してしまうのであった。こういう時間も大事なのかもしれない、と思うのだが…。中盤はがんばるぜ!

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