Naked Desire〜姫君たちの野望

第一章 心の壁−13

フリーダは「はーあ」とわざとらしくとため息をつき、頭を抱えてテーブルの上に突っ伏したまま動かない。
「私にとってエルヴィラは『よき友人』だけれど『よき上司』とは言えないわね」
「へぇへぇ、『よき上司』でなくて悪うござんした」
私が彼女に返事した直後、私は店内の雰囲気に違和感を覚えた。室内に、イヤな臭いと共に煙が漂っている。
私は、すぐさま視線を、煙が漂う方向に向けた。

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Naked Desire〜姫君たちの野望

第一章 心の壁−12

「だって、本当のことじゃないの」怒気を含んだ口調で、フリーダも言い返す。
「皇族としてのマリナは、ちゃんとお勤めを果たしている。それは私も認めるわ」
フリーダはグアテマラを一口飲むと、言葉を継いだ。
「私が言いたいのは、情報機関の幹部としてのマリナはどうなの? ってことよ。FGIKFは表向き政府の諜報機関だけど、その実態は、極右勢力とその支援者がターゲットだからね。マリナ付

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メガネ「ようこそ、しえとみさん」

多機能メガネに、憧れがある。

最近だと「スパイダーマン ファーフロムホーム」
スタークから受け継いだメガネは、音声1つで衛星を動かせる超ウルトラスーパー眼鏡。
劇中、最も重要なアイテムだ。
これがあれば、気に入らないクラスメイトも
ミサイルで一発KO。

ルーツでいうと、「名探偵コナン」
多機能メガネの金字塔。
超広角ズームや、GPSの追跡はもちろん、盗聴機能もばっちり。
犯罪スレスレのチートア

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Naked Desire〜姫君たちの野望

第一章 心の壁−11

「メールの内容は?」冷たい汗が、背中を流れるのがわかる。
「あなたのコップを、簡易鑑定キットで検査したらしいの」
「どんな結果だったの?」
「ごくわずかだけど、睡眠薬の成分が検出されたって。で、詳しい検査をするためにキャサリンは、そのワイングラスを別部署に持参するそうよ」
「……」ショックのあまり黙り込む私。
「これでわかったでしょ? あなたがバスルームで溺死しかけたのは、

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Naked Desire〜姫君たちの野望

第一章 心の壁−10

フリーダ・ポボルスキー、年齢は私と同じ23歳。独身。
国立宮廷行政学院で地理学を専攻し、今年から枢密院秘書課に配属された女性だ。
「おはよう、フリーダ。とりあえずコーヒー飲もうか」
と声をかけ、レジカウンターに移動しようとする。
だが彼女は素早く私の前に動くと、丸い目を細くした……かなり怒っている証拠だ。
「ねえマリナ、今朝何があった?」フリーダは、上目遣いで私を見る。

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絶罪殺機アンタゴニアス 第一部 #45

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 節足の先端が、掻き消えた。
 外科的に強化された機動牢獄の動体視力にすら、絶罪支援機動ユニットの動きは鮮明ではなかった。
 見上げるような巨体が、肢を伸ばす。
 それは攻撃行動ではなかった。
 ただ移動しただけだ。
 絶罪規定に従い、繰り手の保護を最優先に行動しただけだ。
 だが――その結果、近くにいた十数名の機動牢獄が全身の血管を破裂させて死んだ。その死には、おおよそ尋常な物理学で

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絶罪殺機アンタゴニアス 第一部 #44

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 世界を律する理が、歪み、軋み、悲鳴を上げた。
 機動牢獄たちは、不意に虐殺の手を止め、辺りを見回す。
 屋内だ。別段、辺りが陰ったわけではない。目に見える変化など今のところ何もない。
 だが、極罪人たちは感じ取っていた。
 計り知れない重圧感を。唯物論的世界には本来存在しないはずの、魂が感じ取る理不尽な恐怖を。秒刻みに強くなってゆく、心身を蝕む悪寒を。
 何かが来る。恐ろしい何かが。

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未来はぼくらの手の中に!こんな時代にディストピア映画から学ぶこと

今まさに、ここが僕らが夢見た未来だぜ!!

前回、ディストピアSFドラマと現実社会について書いたので、何か映画を題材にして学べることを書きたいな~と考えていたんですが、今この時代におススメするなら、やっぱりこの一本しかない!!

「26世紀青年」こと、原題「Idiocracy」です!名作~~!!

<ストーリー>
“平均的アメリカ人”の代表として軍人ジョー・バウアーズは、米国国防総省の極秘プロジェ

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Naked Desire〜姫君たちの野望

第一章 心の壁−9

屋敷から車に乗ること5分足らず。私─エルヴィラ・ジャンヌ・マリナ・カーリン─は、最初の目的地に着いた。
「カフェ・ルーエ グラーツ総本店」─ドイツ語で「憩い」という意味を持つこの店は、国内でも5本の指に入る大規模なカフェ・チェーンの旗艦店として、首都の住民に認知されている。
営業時間は朝7時半から夜は8時までと長いにもかかわらず、店舗の立地条件の良さもあり、店内は朝から晩ま

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絶罪殺機アンタゴニアス 第一部 #43

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「よせ、君たち! 投降する! 絶罪殺機の繰り手たるアーカロト・ニココペクは〈法務院〉に身柄を預ける! だから今すぐ関係ない人々への虐殺を止めろ!」
 反射的に、そう叫んだ。
 ギドへの不義理になるが、どの道〈法務院〉上層部との接触は必須事項だ。渡りに船と前向きに捉えよう。
 酒場に押し入ってきた乙陸式機動牢獄の小隊は、一斉にこちらを見た。
「ア? 投降?」
「そうだ。投降する」
 しん

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