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青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない (電撃文庫)

【僕の母親で居てくれたから産まれた絆を大切に育てて行く】


物語は、劇場アニメのその先へ――! ちょっと不思議な青春物語・第9弾。



三月に入って、三学期も残り1ヶ月。いよいよ迎えた麻衣の卒業式当日。

「おじさん、だぁれ」

七里ヶ浜の海岸で麻衣を待っていた咲太の目の前に、子役時代の麻衣にそっくりな小学生が現れて!?

一方、花楓の一件以来、別々に暮らしていた咲太の父親から電話が……。

「母さんのことなんだが、花楓に会いたいと言っててな」

それは、花楓に起きた出来事を受け止めきれず、長いこと入院していた母親から届いた「会いたい」という願い……。

家族の絆、新たなる思春期症候群の前触れ――急展開をみせるシリーズ第9弾!

花楓のいじめにより、心を病んでいた母親と再会する事で、今度は咲太に思春期症候群が発症する物語。



花楓でいじめがきっかけで、母親が病んでしまい家族がバラバラになってしまった咲太の家庭。
皆それぞれが罪悪感を感じて、疎遠になってしまった心。
それでも、母親の会いたいという気持ちが再び家族の絆を手繰り寄せる。
取り戻そうとする花楓に、母親が居なくても妹を支えようと覚悟した咲太。
その決意が皮肉な結果になったとしても母の存在は。
悲壮な決意をした咲太にとっても本当は必要で。
これからの楓にとっても大切で。
家族の契を交わしたからこそ、哀しみ、喜び、苦しみを全て分かち合って、乗り越えていく姿には、心の奥底に抱えていた苦労が全て報われるような、張り詰めていた肩の荷が降りたような、清々しい家族の在り方としての結末があった。
改めて振り返るまでも無く。


咲太にとってかけがえのない絆だったのだ。




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