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グッドネガティブ

この記事は1064文字です。


自分のネガティブについて話すときにいつも思い浮かべる人がいます。

「こだまさんはグッドネガティブだね」

と言った精神科病棟の先輩看護師です。



私のいた精神科病棟では合併症病床もあったため

周手術期の患者さん、外傷(自傷・自殺)の患者さん、

周産期の患者さんにも関わる病棟でした。

慣れない処置に伴うミスや事故が怖くて

ネガティブな独り言や確認行為をしていたときに、

「患者さんが心配だから業務のやり残しが気になるんでしょ?」

「怖いことを怖いと思えるのは大事」

と、私のネガティブを肯定してくれたのが始まりです。


危険予測に基づくネガティブなので

看護師ならむしろ想定して当然のことなのですが、

私は過剰に構えてしまうタイプでした。


その先輩は、私がネガティブモードになっていると

ポジティブな言葉をかけてくれます。

「いやいやそんな…」とネガティブ発言を返すと

先輩は何としてでも

プラマイゼロもしくはプラスに持っていこうとします。

きっと私は「素直に言葉を受け取らない、失礼でめんどくさい奴」

だったと思います。

それでも先輩は声をかけてくれました。

普通の声掛けで始まるのが

途中から大喜利状態になって笑ってしまうこともありました。

自分のネガティブが解消されるような気がしたし、

患者さんの自己肯定感・自己効力感とは

こんな感じで引き出していくものなのかなぁ…と

考えるようにもなりました。


徐々に自信がついて異動しましたが、

異動後は自分の仕事のできなさ加減に落ち込んで

また前のネガティブに戻ってしまった時期がありました。

受け入れたつもりいたけど

本心ではネガティブをグッドだと思えていなかったからかもしれません。


ネガティブなのは悪くない

ネガティブを悪と決めつけて治そうとしていたのが間違いでした。

休職してから気づきました。

グッドだと言ってくれた人がいたのに。

治そうとするから苦しかったのだと思います。


今年は「ネガティブが悪いこと」ではないと

あの先輩のほかに言ってくれる人達と出会えました。

イライラもしますし落ち込みもしますが、

ネガティブなりに選択肢を増やしたり、

自分を心地よくする方法は身に着けつつあります。


あの先輩も職場を変わり、違った場所で

グッドネガティブさん達の支えになっていることでしょう。

私も先輩の後に続きたいです。


あんまりまとまっていませんが

この1年で、この言葉を受け入れられるようになったので

「グッドネガティブ」で今年を締めようと思います。


関わりを持ってくれた皆様、ありがとうございました。

2021年もよろしくお願いします。

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