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わたしを育ててくれた本たち ~幼稚園、そして小学生の頃~

日に日に秋めいてまいりました。秋といえば、わたしは無論、「読書の秋」です…!
いつだって読書は楽しいものですが、秋になるといつもに増して、読書欲がむくむくとわいてきます。

秋だから、というわけでもないのですが、わたしが書評記事を書いている、書評メディア「わたしの本棚」にて「人生で影響を受けた本3冊」という特集記事に参加をすることになりました。
書いた書評記事はこちらです。

わたし自身、自他ともに認める本好きでして、人生を振り返ればそのころ夢中になっていたり出会った絵本や本を自然と思い浮かべます。
本好きの方には少なからずいると思いますがつまるところ、読書歴イコール年齢で、物心ついた時には本がお友達だったタイプなので、
読書遍歴やお気に入りの本3冊、なんてことをを考えると、ううむと考え込んでしまうのですね…。

この「人生で影響を受けた本3冊」という特集記事を書くにあたり、いろいろと思いだしたり考えたりしたことをせっかくなので書き留めておきたいと思い、今日は「わたしを育ててくれた本」ということで趣旨を変えてではありますが思い出を綴ろうと思います。
実になる話ではなく、大半がわたしと本のエピソードやその本たちへの愛を惜しみなく綴る、という内容になっていますので、お含みおき頂ければ…。
わたしが書いて満足した記事になっている印象は否めません。もし読んで頂き、「ああ、こんな本あったな~~」と頷いて頂けると私が大変満足致します。
本記事、わたしにとって大切な本が多すぎて多すぎて収拾がつかなかったため、小学生の頃までをようやくまとめた有様です。もしかしたら、続くかも?


〇アンパンマン図鑑

人生で初めて夢中になった本、となるとこれになると思います。みんな大好き、アンパンマンです。
これは母が今でも面白おかしく話してくれるのですが、わたしはとにかくアンパンマンが大好きだったそうで。
祖母が買ってくれたアンパンマン図鑑を、母に読んでもらうのが毎日の日課だったそうなのだが、今それを聞くと大変に申し訳ない気分がこみあげてくる。毎日毎日、同じ内容を読んでは一緒に遊んでくれた母には頭が上がらない。
ちなみにわたしが大切にしていたアンパンマン図鑑は、3つ年下の妹がハイハイができるようになった頃、無残にちぎられてしまったそうなので、現存しておりません。大切なものをきちんと本棚に戻さなかったわたしも悪いが、
このエピソードを聞くと覚えていないとはいえ、「妹め…」という当時のわたしが抱いたであろうどす黒い感情を思い出さなくもない。

好きなものをただ眺めては考えを巡らせることに幸福を感じるのは、今もさして変わっていない。
本棚に並ぶ背表紙を眺めながら幸福を感じては、口元を緩ませるくらいのことは日常的にやってしまう。
三つ子の魂百まで、とはよく言ったものですね…。


〇こどものとも

こどものとも(福音館書店)が大好きな子どもでした。好きな絵本が多すぎたので、「こどものとも」でまとめちゃいました。
わたしの母は大変ありがたいことだと思うが、本の読み聞かせをしてくれる母親でした。あの母がいなければ、本好きのわたしはもしかしたら育っていなかったのかもしれないなあ、と思います。
幼稚園の頃には3つ下の妹も誕生しており、いずれ妹も読むだろうからと、毎月このこどものともを父は買ってくれていたのです。ありがたい~~!
わたしは母に毎日寝る前に本を読んでもらっていたのですが、次第に3冊など平気にお願いする暴君ぶりを見せるようになりました。

母はおそらく困ったのでしょうね、「字を覚えたら自分でたくさん読めるんだよ」とわたしに甘くささやき、わたしはまんまと乗せられておかげさまですぐに平仮名は読める子どもになりました。
おかげさまで本好きは爆発的に加速したのだが、読めるはずの平仮名を書くのがわたしはどうにも苦手で泣きながら練習をした記憶が今でも鮮明にあります。
すぐ、鏡文字を書いてしまっては母や幼稚園の先生に「違うよ」と言われていたんですね…今思えば、なぜ鏡文字を書いていたのだろうね、当時のわたしは頭がものすごく柔らかかったのでしょうか。

これは完全な余談ですが、妹のほかにわたしには5つ年下の弟と8つ年下の弟がいます。わたしが小さな頃は毎日読み聞かせができた母であったが、次第に忙しくなりなかなか子どもへの読み聞かせができなくなりました。弟たちが「読んで」と持ってきた何冊もの本を、1冊だけね、と十分に読んであげることができなかったのよね、と今でも時折もらしていて、「もっと構ってあげればよかったな」と言っているのですね。
「いや、4人も育てていればそうなるんじゃない?」と思いますが、母にとっては今でも後悔のようなかたちで残っているみたいで…。
お母さん、はいつまで経ってもお母さん、なのかな。

もしわたしが母になる日がきたら、毎晩の読み聞かせはできるだけしたいなあ、と自分がしてもらったあの頃を思い返しては思っています。予定はないけど。

〇エルマーとりゅう

言わずもがな大人気の児童書ですね!「エルマーのぼうけん」から始まるシリーズものの2作目。
わたしがエルマーとりゅう、に出会ったのは小学校2年生の夏休み。楽しいことばかりのはずの夏休みを、当時のわたしは入院していたために病院で過ごすことを余儀なくされていました。
闘病とかではなく、自動車に轢かれたため入院をしていたのだが(骨折だけで済んだので、今でもよく死ななかったなと思う)、基本的には元気であるためたいそう暇をもてあましていたのです。
そんなわたしに差し入れとして贈られたのが「エルマーとりゅう」でした。
この本はシリーズの2作目で、前作「エルマーのぼうけん」の舞台であるどうぶつ島から、りゅうを助け出したエルマーはりゅうの背中に乗り家に帰ろうとするのだが、嵐に巻き込まれ…という内容です。
1作目は読んでいなかったが、この、ほのぼのとしたエルマーと子どものりゅうが、わたしはすぐに大好きになりました。

「エルマーくん、きみはぼくをたすけに、はるばるどうぶつ島まできてくれたんだね。かんげきしました。なんと、おれいをいったらいいんだろう」「なあに、おれいなんか、いわなくていいんだよ」

子どものりゅうは、とても心優しくて、素直で、正直な性格で、とてもチャーミングに描かれていて、当時退屈を抱いていた入院生活がたちまち楽しいものになった記憶があります。
エルマーたちは小さな島に不時着?するのだが、そこでの生活がまたなんとも面白く描かれているんですね。
わたしをファンタジー好きにしてくれたのは、思えばエルマーとこのりゅうかもしれない。今でも彼らはわたしのともだちで、実家の本棚に置かせてもらっている。(本当は自宅に持ってきたい)
甲乙つけがたいくらいに、3冊目の「エルマーと16ひきのりゅう」がお気に入りです。

エルマーとりゅう、のシリーズには「きんぎょそう」という植物が登場するのですが、当時のわたしはフィクションの植物だとばかりてっきり思い込んでいました。
実際に存在しているのだと知り、初めて目にしたときには大層感動したものです。

〇大どろぼうホッツェンプロッツ

小学校低学年の頃に出会った本。これはきちんと1冊目から読むことができました。笑
確か、父が買ってくれたのだと思います。経緯はよく覚えてい長いが、父も子どもの頃に読んだらしく…。表紙がまず可愛くないのですぐには読まず、父の機嫌をそこねたように記憶しています。
思えばこのころから平気で積読をする奴でした。とほほ、恥ずかしい…。

当時のわたしと、物語の主人公であるガスパールやゼッペルは同年代。そんなふたりが、大どろぼうホッツェンプロッツに盗まれた、おばあさんの宝物「五月はものみな新たに」を演奏するお気に入りのオルゴール付コーヒーミルを取り戻すため、どろぼうの根城に乗り込んで…みたいな話なのだが、当時のわたしは大層このホッツェンプロッツが怖かった。
いやもう、コーヒーミルとかどうでもいいよ、命なくしちゃどうしようもないしおばあさんだって悲しむよ!!!いのちだいじに生きていこうよ!!と思いながら読んでいました。
ホッツェンプロッツ以上にわたしを怖がらせたのが、魔法使いであるペトロジリウス・ツワッケルマンである。ペトロジリウス・ツワッケルマン、まず呼ぶのが難しい。
かわいそうなガスパールはこの魔法使いの召使にされてしまうのだ…じゃがいもの皮を延々と剝くことになるのだ…。読んだ人は分かりますね…。
ちなみに父も、ホッツェンプロッツよりもツワッケルマンのほうが怖い、と子どもの頃に思っていたそうです。

…とまあ、怖いところばかり強調してしまったが、この物語はユニークさで溢れていてわたしのお気に入り。
泥棒はどこか憎めないし、チャーミングささえ徐々に感じていくのであら不思議。
2作目、3作目にもこの泥棒はガスパールたちの前に現れるのだが、もう3作目では「ホッツェンプロッツ!!!!泣」という感じである。

大人になった今、思い起こせば、ホッツェンプロッツが起こした悪行はどこかかわいらしく思えないこともない。(まあ、実際に悪いことはこれまで沢山しているわけだが)
ちなみに、今回「五月はものみな新たに」という曲を調べてみたのですが、実在する曲なんだそう…!
こちらも今でも実家に大切に残しているシリーズだ。(本当は自宅に持ってきたい)

〇怪人二十面相

これはもう説明するまでもないかと思いますが、江戸川乱歩による「怪人二十面相」から始まる壮大なシリーズです。
当時のクラスメイトの女の子がお勧めしてくれた本。そんなに仲良かった記憶はないけれど、これがきっかけで好きな本をお勧めしあう仲になりました。(残念ながら中学校が違ったので、彼女とは小学校卒業以来、会っていません。今でもきっと読書はしているんだろうなあ…。)

これがわたしと“探偵もの”や“ミステリー”“怪盗”の出会いだと思います。(我が家の方針により、わたしが小学生の頃は「名探偵コナン」は放送禁止だったのだ…たぶん人が簡単に殺されるからだと思うけど。)
怪人二十面相、めっちゃくちゃ恰好いいんですよ、敵だけど。神出鬼没でどこから何をしてくるか分からない、でも格好いいんです。

こちらは文庫で刊行されたいるものを、ちびちびと集めています!

〇ハリー・ポッター シリーズ

もうわたしが説明するまでもないが、これもわたしを魅了した物語です。
小学生の頃、このシリーズは学校で大の人気だったので図書館でなかなか借りることができなかったんですね…。
わたしの小学校では、小学校5年生の頃には大ブームが少し下火になっていたので、ようやく借りることができひとりで地味にハマりました。

当時10歳とか11歳の頃なので、わたしはハリーたちとちょうど同じ歳だったのです。ハマらないわけがない。
実を言うと、完結を迎えてわたしの中の物語は終わってしまったので、まだ新シリーズは読んでいないです。でも、読みたいなって思ってます。
ちなみにわたしは、シリウス・ブラックとスネイプ先生が大好きでした。

〇ダレン・シャン シリーズ

ダレン・シャンがわたしとダークファンタジーの出会いだと思う。面白いけどなんだか怖くて、そのため一度目は途中で読むのを挫折してしまった。記憶をたどる限り、最後まで読めなかったのだこのダレン・シャンが初めてだ。ただ、どうしても続きが気になってしばらく経って、物語の終わりを見届けることはなんとかできた。
確か、ハリーポッターと同じころに出会ったと思う。
好きな物語だが、思い返せばつらいことも多くて、正直今からもう一度読める自信はない。
わたしは主人公ダレンの師匠である、ラーテン・クレプスリーがもう大大大好きでした…。
たぶん、初めて吸血鬼と出会ったのはこの物語だと思います。
そういえば吸血鬼といえば、「吸血鬼カーミラ」ですがこれと出会ったのは、ガラスの仮面の劇中劇だったので。これ、面白いですよね。

〇モモ

小学校5年生の時だったと思いますが、夏休みの読書感想文の本としてミヒャル・エンデの「モモ」を選びました。
…というのも、母はミヒャル・エンデの作品が大好きで、本棚のいちばん高いところ、子どもの私たちの手が
届かないところに「モモ」や「果てしない物語」を並べていて、わたしはどうしても読んでみたくて仕方がなかったのですね。
母からはこれは大人が読んで面白いんだよ、と言われたが「モモの裏表紙には小学校高学年からって書いてる!」などと
ムキになり読んだ。正直言うと、読んだけど本当の面白さはこれっぽっちも分からなかったなと今は思う。
「時間が無い」「忙しい」なんて思うのは、子どもより大人、つまるところこれは大人が読んでこそ面白いんだよなあ。
今すごく、読みたいです。わたしも買おうかなあ。

関連して「果てしない物語」については少し反省をしたものの、中学生の頃に読んでしまいましたが、ほんとうに楽しかった。
あの本を読んでいるあいだ、本当にわたしは本の中に吸い込まれているような、そんな感じでした。
あの時の少しぞくぞくとした感覚が忘れられない。
大人になった今思うのは「never ending story」を「果てしない物語」と訳していて、本当にそのとおりで素敵だなと思います。
あとこれは装丁が本当に素晴らしい。この本ばっかりは、文庫本や電子書籍では魅力半減だと本当に思います。
今でも瞼をとじれば、あの質感や鮮やかな赤が思い浮かびます。
これ、映画は見たことがないんだけど、どうなんでしょうか。面白いのかな?
あの世界をどう描いているのか、ちょっと気になります。

〇盗まれた記憶の博物館

著者はラルフ・イーザウさん。著作である「ネシャン・サーガ」シリーズがミヒャエル・エンデの目に
とまり注目を浴びたことでも知られ、エンデの後継者と称されることも多い方です。
本作は古代バビロニアの邪神が、イシュタル門を抜けて、現代のベルリンに復活するのだが、
この邪神は、人々の記憶を盗むという能力を持っており、ナチスや旧東独の秘密警察の暴虐の記憶が失われていく――という内容。
この邪神による世界支配を、双子の姉弟が阻むために大活躍するのだが、あらすじを書いている今でさえドキドキしてくる。少し大人な内容なんですね。
ハリウッドの映画のようだな~~とさえ思う。
もう長らく読んでいないので、そろそろまた読みたいな。「ネシャン・サーガ」や「暁の円卓」などもぜひ読み返したい。

〇若草色のポシェット

赤川次郎さんによる推理小説。わたしが出会ったのは小学校6年生だったが、ちょうどそのころ、岩崎書店赤川次郎ミステリーコレクションシリーズなるものが刊行されていて、その中の1冊として手に取りました。
「登場人物が読者とともに年齢を重ねる」という珍しいもので、もう最新刊では主人公は四十代のおばさまになっているそうで!
そうで、と書いたのはわたしがこのシリーズを最後まで読んでいないからだ。しばらく読んでいたのだが、「暗黒のスタートライン」という1冊が衝撃的で挫折してしまったんですね…。主人公たちが年を重ねると、不倫したり浮気したり隠し子が生まれたりそして人を殺めたりと大変だ~~シリーズが続くというのも一長一短だ、と子どもながらに思いました。
普通の女子学生が誘拐されて殺されかけたり、薬物パーティーに参加することになっていたりと、まあ今思い返してもなかなか破天荒でそういった意味では面白いシリーズです。いや、面白いんだけどね。

〇シャーロックホームズ シリーズ

小学校6年生の頃、前述の怪人二十面相シリーズにハマった友人と一緒に読んでいました。
実はあの頃がいちばんしっかり読んでいて、それ以降はぱらぱらと好きなところを読む程度なので、
そろそろ読み直したいなあと思っているところです。
ちなみに、「ブルートレイン急行殺人事件」などの名探偵ポアロシリーズも、数作は同時期に読んでいました。
今思えば、小学生高学年~中学生の頃は、いわゆる海外ミステリの名作を読み更けていましたね。


以上が、小学生の頃までを振り返ると思い浮かべる本たち。
今でも好きなファンタジーやミステリーはこの頃から好きだったのだな、としみじみ感慨深くなりました…。
好みはそう、変わらないのかもしれません。

どの本に対しても「また読みたい」ばかり言っていて、すこしおかしいな、とも思いました。


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