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生命保険のオマケと本丸の話

「積読」は本屋のマーケティングだ

買ったけど読まずに積まれた本。いわゆる「積読」というのは、文化的かつ知的な雰囲気を醸し出している。

しかし、この言葉が纏うロマンを一度剥ぎ取ってしまえば、要するに衝動買いの成れの果てであることが分かる。

本当に面白いと感じる本は脇目も振らずに読破するのだから、積読というのは「買ったけど読むところまで食指が動かなかった」ということだ。

なんとなくよさげな雰囲気がしているのは本屋のマーケティングである。

そして、試し読みが当たり前の今の世の中では、この衝動買いのマーケットはどんどん縮小している。

本というのは読むことを通じて気持ちが晴れたり、新しい発見があったりするものだ。本来の価値を果たせなかった本たちに、なんとなく奥ゆかしさを与えて居場所を提供したのが「積読」という言葉なのである。

したがって情報化が進むと共に、化けの皮が剥がれてゆく。

生命保険で避けるべき本末転倒

さて、生命保険の世界ではどうだろうか。

たとえば生命保険料控除というのは、ハッキリいってオマケみたいなもので、それを理由にして加入内容の正当性から目を逸らしてはいけない。(もちろん、納得しているなら何も問題はない。使い倒さないと損である)

これは所得税に恩恵をもたらすものだが、所得税はざっくりいうと以下の数式で決まる。

所得税額=課税所得×税率

で、所得控除とは上記の"課税所得"から差し引く金額なので、その効力は税率によって割り引かれる。

世の中でいわゆるエリートサラリーマンと言われる人たちが、仮に年収600万を超えた人たちだとすると、税率は大体20%の範囲だろうか。

生命保険料控除、介護医療保険料控除、個人年金保険料控除の3種目をフルに使ったとすると、12万円。ということは・・・安くなる税金額は推して知るべしである。

似たような名前で税額控除というのもあるが、こちらは所得税額から差し引かれるので、そのまま税金が安くなる金額を意味する。

両者で発揮される威力が全く違うことはお分かりいただけただろうか。

有用なのは間違いないが、最優先すべきはその保険の必要性である。

生命保険料控除の裏にある思想

個人年金保険料控除は「国民が老後の資産形成に取り組むのに対して国が支援する」という意味合いがある。

なので、せっかく個人年金保険に加入しても、受け取る歳が早すぎたり、保険料の定期的な払い込みがされない契約であれば特典は受けられなくなる。

これに限らず、本来の趣旨に反する行動を取ったら適用されなくなる税制の優遇策がいろいろある。

国が貴重な収入源である税金をまけてくれるのだから、優遇策には相応の理由が必ずある。そこに思いを巡らすと、無味乾燥な税金の話が、切れば血が出る生々しいものに変わるはずだ。

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