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ありきたりな日常に恐怖するのは、まだまだ自分が未熟だからだろうか

肝臓数値の異変があり、最近やっていた好き勝手な飲み食いもしづらくなってしまった。ゲームも食傷気味で、衣服に対する執着も減退しているとなると、いよいよもって休日にやることがない。人生最大の敵は、何の起伏もないのっぺらぼうな日常である。

同じことの繰り返しになると、時の流れが速くなって老化一直線となる。1分1秒を少しでも深く味わうために、どうにかして変化をつけようとジタバタともがいているのが最近の私の休日だ。

落語と没落した広告枠

友人に誘われて新宿三丁目の末廣亭に行ってきた。手渡されたパンフレットを見ると、広告枠が一つ開いている。そういえば駅前とかビルの上に掲げられている広告看板にも空きが目立つようになってきた。

電車の中でも街中でも、みんなスマホを見ながら歩いているので、上に掲げられた広告なんて見ないのだ。一方、駅にあるデジタルサイネージの広告枠は活況を呈している。動きがつけられるから、静止画である看板と比べると訴求力が段違いだ。

あいてる看板広告には決まって電話番号が書かれている。いや、どうせ商談の詳細をやりとりすることになるんだから、メールアドレスを載せた方がいいのでは?連絡の動線設計が全然今どきじゃない。これだけで広告枠を持っている人がかなり保守的な人だなということが分かる。

落語は昼の部に参戦し、伊勢丹で弁当を買って食べながら見る。休憩交えて4時間半の演目だが、途中2,3人ほど代打の人間が出ていた。演者の高齢化が進み、突然の体調不良も増えているのかもしれない。

とはいえ、後半に出てくる人たちの迫力はさすがに凄まじく、喋りと体の動きだけなのに情景が目に浮かぶ。己の身一つでここまで観客をねじ伏せる様を見せつけられると、「話術の原点ここにあり」と思わずにはいられない。

友人と感想を語り合うべく喫茶店、晩ごはんとはしごしてゆく。(結局飲み食いしとるやんけ)

人を惹きつける文化施設は周辺の飲食店も潤す。喋りながら「あの臨場感はどこからくるんだろうなぁ」という疑問から、話術というものを解剖したい・分析したい欲がムクムクと湧き上がってきた。

これで1週間ぐらいは元気に生きれそうかな。

家電製品の"気持ち上向き効果"

快適なテレワーク環境を作るため、いろいろと買い込んでいる。

このタコ足配線は見た瞬間にいい意味で「やられた!」と思った。タワー状にすることで差し込み口を増やすことができ、しかもUSBまで対応できるようにしている。

USB用のコンセントしかないから、わざわざパソコンを立ち上げて差し込んで充電する、なんて面倒なことをする必要がない。従来の横に平べったいタコ足配線は、安さ以外に勝てるところがない。

タワー型のタコ足配線がどこかのタイミングで安売り攻勢を仕掛けてきたら、まず間違いなく駆逐されるだろう。

他にもスチームアイロンとか、ダイソンの掃除機とか、キーボード・ディスプレイとか、次々と購入するが、あまり心境に変化はない。

機能性の追求は突き詰めると最適解が一つに明確に定まるので、掘り下げ甲斐がなくてすぐ飽きる。手に入れて感動したら、次の瞬間からただの日常になってしまう。

家電製品における"気持ち上向き効果"はあまり持続しなさそうだ。

貴重品をほぼ全部紛失してから取り戻す過程で見えてきたもの

定期入れをどこかで落としたらしい。中に入っていたのはクレジットカード、キャッシュカード、運転免許証、健康保険証、PASMO。生活に欠かせないものをいっぺんに失った。え、えらいこっちゃ・・・。

探し回っても見つからず、交番に逸失届を出すが届いてはいないらしい。すぐさまクレカとキャッシュカードは停止と再発行の手続をしたが、電子決済ができず、お金を下ろすこともできない。毎日切符を買いながら会社へ通勤した時は、なんともいえぬ惨めな気持ちになった。そもそも、定期入れに大事なものを固めて入れておく己の腋の甘さは猛省である。

PASMOの再発行をできないかと駅員室に向かうと、ポスター内に「紛失の場合は再発行はしません」の文字が。ネットで調べてみると、世界的な半導体不足がICカードの発行にも影響を及ぼしているとのこと。半導体不足はニュースには聞いていたが、まさかこんなところで響いてくるなんて・・・。

しかし、半年分の定期券を購入してからまだ日が浅い。流石に損失が大きすぎるので、悪あがきのつもりで駅員さんに相談したところ、定期とチャージ残高を引き継いだ上で再発行してもらえた。

今ではキャッシュカードとクレジットカード、健康保険証も届き、以前の生活が取り戻せている。ちなみに、私の紛失騒動を聞いて周りの人たちが何人も「あやうく無くしそうになったヒヤリ・ハット事例」を教えてくれた。

不便な日々だったが収穫もあった。ポイントカードも名刺もほとんどが必要性のないゴミだと分かったのだ。そもそもポイントカードというのは顧客囲い込みのためのツールであって、リピートしない店のポイントカードなんて作るだけ無駄である。

リピートさせる自信のある飲食店ほどポイントカードを採用していない。いち消費者としては、導入費用とかポイント還元で利益を削るぐらいなら、そのお金を食材にかけて美味いものを提供してくれと言いたい。

名刺だって友人関係にせよビジネスにせよ、継続的な関係に繋がらないのであればただの紙切れだ。形式的な交換の儀式を繰り広げるぐらいなら、LINE交換したくなるほどのトークを繰り広げることに集中すべきだ。

話に夢中になりすぎて「そういえば連絡先交換しません?」と後追いになるぐらいがちょうど良いのである。

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