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両極端に分かれる海外志向

日本人がグローバル志向にならない理由

キャリアアップのことを考えれば、海外で活躍できる方が良いのは間違いない。少子高齢化で国内需要が萎んでゆくのが明らかな日本より、伸び上がってゆく新興国で働いた方が面白いというのはあらゆるビジネスマンが口を揃えて言う。

最近は生命保険業界で出世している人も、大体は海外経験がある人たちだ。

たしかに、やればやるほど結果が出るのだから楽しいに決まってる。では日本から出たがらない人の心理はなんなのかというと、治安の良さとか言葉、慣れ親しんだ食文化から離れたくない、ということに尽きる。

海外に行っても、言葉が通じないストレスから観光に行かずにひたすらホテルに篭りっきりだった、という人の話を聞いて、自分も似たタイプだなあと思った。

食文化、サブカルチャーはじめとするコンテンツ、治安の良さに関して、既に日本は世界最高峰だ。国内に最高レベルのものがあると、人は外になかなか目が向かない。

逆に、学生時代に海外で暮らしたり、海外旅行で楽しい思いをした人は、その後も抵抗なく海外に行く人が多い。海外に行きたいというモチベがあれば、語学など後からついてくるというのが私の感覚で、その意味では若い頃に体験に基づいた海外へのポジティブなイメージを作っておくことは値千金の価値があるように思う。

「仕事で行く海外」と「遊びで行く海外」は全く別物だ。しかし、海外へのポジティブなイメージがないと、そもそも海外に行くような企業・職種に就職しようとしないのである。

海外へのポジティブなイメージを醸成するには

自分の場合は大学の卒業旅行の時に、ドイツに行ったのだが、「肉、ドーン!ポテト、ドーン!」という食の面で全く馴染むことができず、残念ながらトータルでは楽しいと思えなかった。(サッカーやビールは最高だったが)

人との良質な繋がりがあれば、現地の人だけが知っている美味しいお店を紹介してもらえるし、穴場の観光スポットを知ることもできる。

そう考えると、私の失敗はネットやガイドブックだけを頼りにしていて、人を介した「生の情報」を拾おうとしなかったことが原因だった。

大学の後輩は一部海外留学に行っていたが、見事なまでに全員彼氏や彼女を作っていた。異国の地で開放的な気分になっているからかもしれないが、ロマンスを経験したら、そこに紐づく形で海外に良い印象を抱くだろう。

結局のところ、国への印象のほとんどは人が形成するものなのだ。

海外に行くことが最終目標ではない

海外に行くとキャリアに箔がつくことは間違いない。だが、そこがゴールになってしまうと、「海外生活をエンジョイして帰ってきただけの人」になってしまう。(実際、こういう人はかなり多い)

「使命があって、その実現のためには海外に行く必要がある」状態でないと、間違いなくビジネスマンとしては大成しない。海外赴任を希望しているのに、やりたいことを明確に語れない人間は「エンジョイ勢だな」とみなされて、優先度を落とされる。

もしあなたが海外赴任を希望するのであれば、「海外生活を求めているのか、夢の実現のために海外に行くのか」はきちんと整理しておいた方がよいだろう。

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