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チャラ男への憧れとともに、コーヒーを飲む午後

いつもヘラヘラしながら、発言を求められてもまともな受け答えをせずに茶化したり、ギャグを言ったり受け流したりし、いろんな人と仲良さげに振る舞うチャラ男属性は、一つのビジネススキルなのかもしれない。もっとも、私がなぜそのように思うかというと、単に所属する部署の上司たちにチャラ男が結構な割合でいるから、という理由に落ち着いてしまうので、それは統計的に、つまり社会全体、グローバルにそうなのかどうかはよくわからない。

さて、そういう人の仕事のやり方を見ていると、ある程度は自分もスキルを磨いたり、頑張ったりはするものの、結構いろんなタスクを人に振ってしまって、あとは他の人のデスクで世間話で盛り上がったり、別のデスクに置いてある菓子をむしゃむしゃ食べたりして、もっと偉い上司が来るようなミーティングでまたヘラヘラしている。私は平社員だし、小さいプロジェクトをイライラしながら回しているくらいで、そんなチャラ男になんて当分なれそうにない。だからとっても羨ましく思う、というのが、正直なところである。

こういうチャラ男がよく口にする格言の一つに、「同じバカなら踊らにゃ損損」というようなものがある。確かにおっしゃる通りで、どんぐりの背比べをしているような会社勤めの我々は、色々な物事を楽しんだ方がお得だとは思う。しかし私は、同僚との世間話など時間の無駄だと感じてしまうし、同じ理由で飲み会などまず行かない。無意味だと感じたミーティングにはそもそも出ないこともあるし、定時になったらすぐ帰る。唯一、自分の仕事を助けてくれる人、自分が仕事を振っている人にだけは、とても愛想よく振舞っているつもりなのだが、相手が気持ちよくなってくれているかどうかは、わからない。要するに、自分は、会社での人間関係を全然楽しんでいない、という暗い事実を認めざるを得ない。まるでチャラ男のアンチテーゼのような存在なのだ。

というわけで、少しずつ、チャラ男属性を増やしていこう、と最近は常に考えている。とりあえず、猫背にならないように胸をはってみる、相手の目をしっかり見て話す、できるだけ通る声で話してみる、など、そういうところから変えようと日々頑張っている。それから、たとえムカついても相手を論破するようなシリアストークを展開しない、ということも肝に命じなければならない。チャラ男属性にはこういうアクションは存在しないからだ。わざとらしくない程度に相手を褒めたり、感謝の意を表明したりするアクションも、最近では意図的に多くしている。ちょっとしたジョークとか、怒られない程度のおふざけ発言などは、まだまだレベルが低くて出来ない。ロジカルシンキングができない、頭のネジ一本かけてるおじさんなど、なるべく関わりたくない人には爽やかな笑顔で適当かつ曖昧な返答で極力コミットを避ける。

これまで、いつも喧嘩腰ですぐにキレたり、屁理屈にはその数倍の屁理屈を返したりなど、孤立を深めてきた私ではあるが、もうそのような、幼稚な昔の私ではない。徐々にではあるが、チャラ男属性を増やしていくのだ。そしてバカな踊りを披露して、自分で自分を褒めてあげよう。でもよく考えて見たら、会社でチャラ男になったところで大した意味はないのだ。どんな人に対しても、どんな局面でも、チャラ男の精神を忘れないことが大事なのかもしれない。昨日の自分よりも、今日の自分がもっとチャラ男になれている、という手応えがあれば、毎日は楽しいだろう。というようなことを考えながら、ハワイのスタバで25ドルもしたコナコーヒーを飲むのであった(今日は訳あって在宅勤務)。


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