見出し画像

気持ちが分かってしまった/37冊目 浅倉秋成 『教室が、ひとりになるまで』 角川書店

始めに

見てくださって、ありがとうございます。
えだまめです。

久々の純度100%のミステリー。
先の結末が気になって、一気読みした。

この、ぐいぐい引き込まれる感じ。
読んでいて、楽しかった。

「なるまで」の先は?

この本は図書館で借りてきたものだ。
だから、選ぶ時に、背表紙のタイトルを見る。

この本のタイトルは「教室が、ひとりになるまで」。なるまで、何なんだ?

「教室が、ひとりになるまで」なんだから、放課後の話かな?なんて思って、パラパラめくる。

…めちゃくちゃミステリー!
ある高校で1ヶ月くらいの間に3人が亡くなってしまっている。

これは面白そうだぞ。

なんで3人は亡くなったのか?本当に自殺なのか?
そして、タイトルの続きは何?

もちろん、作中では言及されている。

あなたは、タイトルの続きは何だと思いますか?

能力

そして、この本の面白い設定が《受取人》。

学校の中で4人いて、何らかの能力を持っている。そして、その受取人が卒業したら、また後輩に受け継がれる。受取人が在学中に亡くなったり、後任を選ばずに卒業したりすると、ランダムに選ばれる。

主人公の垣内は、ランダムに《受取人》に選ばれた。その能力は、「嘘をついているかどうか」がわかること。嘘をついている場合は声が揺れた(文字のフォントが変わる)ようになる。

垣内自身に痛みを加えないと能力は発動しないし、その能力は学校の敷地内でないと発動しない。しかも、同じ人に3回しか使えないという、たくさんの制限は付いている。

垣内は3人は自殺ではなく、他殺だということの見解を強めていく。

この話は、物語の中盤くらいに犯人がわかる。問題は、その人の動機とー。

ところで、私はもし能力が使えるなら、「物を浮かせる」とかが良い。リュック、重い。

…でもこの能力、悪用したら、人を殺せてしまうな。やめよ。

人なんて、そんなもん

垣内は物語の序盤、3人が亡くなったことに関心を全く寄せていなかった。違うな。

無関心を装っていた。

私のあんまり仲良くないクラスメイトが仮に、学校に在籍中に他殺で亡くなったとしたら。

だいぶ動揺すると思う。
でもそれは、次殺されるのは自分なんじゃないかという、恐怖心と少しの同情心、哀れみからだろう。

…全く、ひどい奴だろう?私は。

でも、そんなもんだろう。…やっぱり、ひどいかな。

そして、垣内と犯人が3人の死を通して、クラスがまだマシになったと思う気持ちが分かってしまった。「秩序」が保たれるということが。

印象的だったのは、
「どっちが上とか下とかはなくて、「下」だと思っている奴が階級を作り出しているんだと俺は思う。」
という言葉。垣内の言葉でも、犯人の言葉でもないのだけれど。

教室って、“本来は”平等だもんね。
自分がクラスのどこに位置しているかで、クラス自体とクラスメイトへの見方が変わる。

本当に、残酷だね。

終わりに

かなり、えだまめのダークな部分がチラ見えしてますが、引かないで。

こうなったのは理由があるし、いずれ記事にします。楽しい記事にはならないだろうけど。

とりあえず、この本は面白かったので、シェアしたかったのです。この話を読んだのなら、コメントください。あなたの見解も知りたいの。

見てくださって、ありがとうございました。
えだまめでした。

この記事が参加している募集

わたしの本棚

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?