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「気づき」と「行動」を促す働きかけ

高校教師の枝瀬です。
主に、教育、心理、コミュニケーションや
自己啓発、日々の気付きを発信しています。

今日は家族で
日帰りスキーへ。

スキー場は、
一日中、吹雪いていて
午後のリフトは凍っていました💦

帰りの車、
子どもたちは一瞬で寝落ち。

こんな家族の遊びも
もうあと数年で終わりだと思うと
寂しいやら嬉しいやら。

今回の記事は特に

・初担任など、まだ教員の経験の浅い方
・教育やコミュニケーションに関心のある人
・頑張り屋だけれど、まだ自信を持てない人

におススメです。
どうぞ、最後までお付き合いください。


授業や課外活動(部活・委員会)で
僕が、意識しているのは

生徒に「気づき」と「行動のきっかけ」を
与えることです。

「あ、そうか」
「なるほどね」
と生徒自ら発見する
喜びに重きを置きたい。

ワクワクが、
行動のきっかけになるんです。

「机上の空論」には
あまり興味がありません。

高校の国語教師なので、
知識として

「ラ行変格活用」とか
「助動詞の『らむ』の意味」とか
教えますけど、

そういう類の学びは
専門的に国文学を学ぶ生徒や
言語学を追究したい生徒には
意味があっても、

現代なら
ネットで検索すればいくらでも調べられるし、
いずれAIが解決してくれそうな気もします。

興味があるのは実学

実社会で応用できる
知見や行動力をこそ
育てていきたい。

たとえば一例をあげると、
陸上部のある生徒。

何度か、記事にしたこともありますが、
僕は、陸上部の顧問を務めています。
ただし、専門ではありません。
技術指導はできないことを公言しています。

仮にNくんとしましょう。
Nくんは高校になって
初めて陸上をはじめました。

それまでは学校外のクラブチームで
ラグビーをやっていた。

ラグビーと陸上では
走り方に違いがあります。

ラグビーは衝突を前提としているので
重心を下げて走るけれど、

陸上は腰を高く走ったほうが
地面(タータン)を強く踏み込めます。

この走り方のフォームの違いに
Nくんは苦慮していました。

僕自身は専門的アドバイスできません。

さて、あなたが同じ立場だったら、
Nくんにどんな働きかけをしますか?



僕がまっさきにしたのは2点。

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①走る様子を動画に撮影してシェアする。

②部員たちにアドバイスをしてもらう。
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これも効果がありました。


でも、それ以上によかったのは

質問会議

という手法。

ビジネス関連の本なのですが、
読んでみて、
これは授業や部活にも応用できる
と思いまして・・。

ミーティングのとき、
ターゲットをNくんにしぼり、
「どうすれば走り方が改善できるか?」
というテーマで、

部員たちによる質問攻めを浴びせ続けるという
試みをしました。

「どうしてラグビーの癖が抜けないの?」
「走っているとき、どこを意識している?」
「重心の感覚、わかっている?」
「陸上のフォームについて、どれくらい知ってる?」
「YouTubeや陸上専門誌で、正しいフォームについて勉強した?」
「自分の走りは10点満点で何点?」

部員が行うのは「質問」だけ。
意見や、ましてアドバイスめいたことは
一切、言いません。

Nくんは、
次々と繰り出される質問に対して、
一つ一つ答えていきます。

いや、正確に言うと
答えられるものと、
答えに窮するものがありました。

実は、
「そこまで深く考えていなかった」
こともたくさんあって、

それがNくんの「気づき」になったんですね。

「あ、それ、オレ意識していなかった…」

これが
次なる行動を促す「気づき」になるんです!!

Nくんは、
その後、塾で知り合った
他校の陸上部(仮にAくんとします)と
仲良くなり、
「Aくんの高校と合同練習をしたい」と
僕に願い出ます。

これは僕の仕事!
早速、Aくんの高校に連絡し、
合同練習をお願いしました。

合同練習をお願いした高校では
短距離の専門的指導ができる
顧問の先生がいます。

先述した質問会議を経ていますからね。
Nくんは、その顧問の先生に
たくさん質問しました。

「どうすればラグビー走りを改善できるか?」
「走っているとき、どこを意識すればいいのか?」
「重心はどうすれば感覚を理解できるのか?」
「自分の走りは10点満点で何点なのか?」

質の良い質問のおかげで、
Nくんは、
質の高いアドバイスをもらうことができました。

およそ2年間かけてですけど、
Nくんの走りは確実に改善されています。

自己ベストを更新し続けているし、
最近の冬季練習の様子を見ていると
走りに自信もついてきました。

なにより、
Aくんの高校から学んだことを
今度は後輩に伝えてくれているのが
僕としては本当にありがたい。

僕が陸上の専門的指導をできれば、
もっと短時間でNくんを
成長させていたかもしれません。

でも、すべてに精通するなんて
教師だって不可能ですからね。

専門外であっても発想を転換させて、

生徒に
「気づき」と「行動」を促す工夫は、
やりようでいくらでもある
ということを
今回は特に強調したくて
記事を書きました。


最後までお読みいただき
ありがとうございます。
これを読んでくださったあなたの
少しでも参考になれば嬉しいです。

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