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代役

2年まえ(2016年)
俳優女優が台本を持ちながら
舞台で演ずる
ステージリーディングを観た

初めて観た時の印象は
主役の俳優さんがハマり役で
素晴らしい演技をして
とても感銘を受けた

そして自分も俳優として
是非ともやってみたい
殻を破れる
チャレンジの役だと思い
とても魅力的に感じた

戯曲も興味深く
もっと良いモノに仕上がる
前兆があり

舞台が終わってから
面識のなかった
ディレクターとライターに
感動した事を伝えた

その代役の話が来て
俳優魂が踊った

しかしざわざわ落ち着かない
気持ちが少しあった

それは僕から見て
殆ど完璧にハマり役で
味のある演技をする
俳優さんの代役を
果たして勤める事が出来るのか?

という自問自答

そして他の主要なキャストは
今回とこれからの為に
集中ワークショップ済みで
もちろん僕はそれには参加していない

リハーサルは当日のみ
その日の夜に本番がある

なるほど
自分の気持ちを分析すると

アウェー感の中で
主役俳優がやるような演技が
出来るのかを心配する自分

ああ、だからか、、
このざわざわ感は

まずはそれを克服する為に
ディレクターに事前に話して
彼と同じようにはやれない事を
しっかり伝えて了承をもらう

そして自分流で120パーセント
ぶつかる事に決める

そうと決まれば
後はいつもの様に
自分なりに脚本を解釈して

リハーサルでディレクターに
調整してもらうだけの事だ

それを他のキャストが
受け入れてくれるか
どうかなんてのは気にしない

演技はガチの勝負みたいなもので
気後れしたり遠慮は絶対に禁物だ

逆にその中で
突き抜けていく様な
感覚でやって行く

当日は時間が足りなくて
通し稽古 (芝居の初めから終わりまで通す事)
は出来なかった

不安は残るが、だからといって
もう僕に出来る事は何もない

本番まであと30分

この時点での迷いは
ここで捨てなければ
本番は消化不良で
失敗してしまう

だから後は
リラックスして
自分のやってきた事を信じて
本番を楽しむだけ

キャストの皆さんと
ハグをして
エネルギー交換をする

そして一夜だけの代役の僕を
受け入れてくれた
ディレクター、キャストや
ライターさん達のお陰で
満員の劇場で
舞台は大成功した

2年前のブログはここまで

↓↓↓

その後この代役を
プロデューサーの方々が
気に入ってくれて
数ヶ月後のプロダクション参加へ
それが大ヒット作になり
一年後にオフブロードウェイ再公演
その公演中にコロナで閉鎖になったけど
アメリカ演劇界2番目に権威ある

2020年度 オビー賞
「コンセプトと戯曲賞」受賞
https://note.com/eddyohno/n/n1dbe5db74509
諦めないで継続していけば
人生は何らかの結果が出る

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