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音楽はもうすでにお金にならない

先日の話に関係するのですが、ドイツでプロギタリストをされているという方のXでのポストが目に入りました。

話を要約すると以下の通りかな、と思います。

  • 昔は家の仕事継いだり、家庭や子供を早くから持って「ものを買える人」が承認欲求と社会的に多大なリスペクトを得られた。

  • 親の仕事継いでも、一般職に入っても別に社会的に思ってた以上のリスペクトも得られなければ、欲しいものも買えなくなった。(=社会的リスペクトが得られなくなった)

  • そうなるとギタリストという職業は労働階級者がのし上がり成功する為の「手段」ではなく、金持ちの「選択」になってしまった

  • 今のプロギタリストは、本職で大金を稼いで、見せ方はプロギタリストってやってる。

  • ギタリストになるのはお金が無いと無理。

  • 世界は変わってしまっていて、音楽業界も「お金の勝負」になりつつある。


これは、ギタリストに拘らず、全ての分野にいえると思います。
音楽を見ても、今はKing Gnuの常田さんの「小澤征爾のオーケストラにいました」とか、長谷川白紙さんの「音大の院に入りました」、みたいな、本来クラシックや現代音楽へ行くべき人たちがポピュラーミュージックをやっています。
もう素人ができるものではありません。

本来、ポピュラーミュージックは、クラシックを子供時代に学習していなかった人たちのための「音楽のセイフティーネット」だったと考えています。
でも、今はそうではありません。
生まれついた環境でほぼ決まってしまいます。

でも、これは必然で変えらるものではないと思います。
実際、音楽以外のアスリートの世界でも、名前からして「親がこの人に自分の夢を託したんだな」みたいな人ばかりでしょう?
ほぼ全ての分野で、競争が成り立たないくらいトップエンドのクオリティが上がっているので、「普通の人」が後追いすることは不可能だと思います。

音楽をやりたいなら、親が音楽の素養を持っていて、幼児期から積極的に音楽を学ばせてくれる環境に生まれ落ちなければできないと思います。
音楽は言語に近いスキルだと考えていて、大人になってからネイティブレベルのスピーカーになれないのと同じで、後追いはよほど才能がないと不可能なんですよ。
先日書いた、

「俺は天才です」「聞いて損はさせません」「2年後にはスターになります」系のボカロPや歌ってみたの人が3年くらい前にはたくさんいました。でも今はいません。

というのは、今の子どもは、中二病を拗らせている暇すらないのだと思いました。 諦めて、勝負できる分野のことを子供時代から必死で頑張るしか、「普通に生きる」道がないのです。

あとは、もう音楽は金にならないから、お金を別の手段で稼ぐしかない。
上記で引用させていただいたK. Y.さんが仰っている、お金は別の仕事で稼いで人前ではミュージシャン、という人が世界的に多いというのが事実であるなら、音楽はもうすでにお金にならないということだと思います。


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