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編集者として成功するために一番必要なもの


自分が新卒で入社した出版社は「出版業界のリクルート」と呼ばれることもあって、事実、多くのOB・OGがいくつもの職場で元気に活躍している。

その「転職の成功率」が高いので、ぼくがダイヤモンド社に移ってからも、その会社の採用や新人育成のやり方をしばしば聞かれた。できる編集者育成の秘訣のようなものがあるんじゃないかと思われたわけだ。

言われたからにはと、まじめに過去にやったことの洗い出しをしたりしてみたけれど、特別なことは何もしていなかった。最初からひたすら先輩や上司と一緒に本を作ってきただけだ。

ただ、あるときふと浮かんだ「答え」は結構いい線をいっていて、今でもこれが正解に近いんじゃないかと思っている。

それは、「その会社の新卒採用の締切が、業界でもかなり遅い方だったから」だ。

少なくとも自分の新卒時(2001年入社)、出版社の新卒採用の時期は各社バラバラで、大学4年の4月に内定が出るところもあれば、9月に決まるところ、はては秋に始まって年末までかかる会社もあった。自分の内定が出たもたしか9月1日だった記憶があり、これは今でもかなり遅い方だろう。

何が言いたいのかというと、採用が遅い出版社の応募には、「他の出版社に引っかからなかったが、それでも出版社で働きたい・編集者になりたい」と強く思う人が応募してくる確率が高い、ということだ。そして、その気持ちこそが編集者として成功するため一番大切で、他のことは後からどうにでもなる。

これは編集長になってさらに多くの編集者を見るようになり、確信に近くなった。企画や編集のやり方や考え方はそれぞれ違っても、長期にわたって実績を残す編集者に共通しているのは、「編集者になりたい」「編集者でいたい」という気持ちの強さだ(ちなみに、柿内くんも光文社の秋採用だったそう)。

「編集者として成功するために一番必要なもの」というタイトルにしたが、これはたぶん多くの職業でも同じだろう。「何か」になりたい、という意思の有無と強さは、センスや才能といった他の要因をはるかに凌駕するのだ。

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ということを急に書きたくなったのは、ダイヤモンド社の書籍編集者の募集の締切が週明けの5/31なのを思い出したからでした(もっと早く書けって話なんですが)。

ダイヤモンド社の書籍編集者の採用ページ
https://www.diamond.co.jp/recruit-intermediate/intermediate/syoseki202104.html

あと、たまたまですが、敬愛する古賀さんの「ライターの学校」も同日の締切でした。ライターとして成功するために一番必要なものも、おそらく編集者と同じだと思いますが、それ以外のことは全てここで学べるはずです。

batons writing college
https://college.batons.jp/

ライターや編集者として活躍したいと思う方は、ぜひチャレンジしてみてください。


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