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小学2年生になって最初の行き渋り

2年生になって初めての6時間授業の日。朝起きると、息子は何か言いたそうにベッドで私のほうを向いた。
「何か思っていることある?なんでも話してね」
と伝えると、
「今日、6時間目まであるのがなんか不安。遅刻して行ってもいい?」
と言ってきた。
これまでなら、「お休みしたい」と言ってきただろう。でも、その日は違った。
「うん。いいよ。じゃあ、2時間目の終わった後の長い休み時間に行こうか」
そう伝えると、息子はほっとした様子で笑顔になってベッドから起きた。

遅刻といっても、学校に行くまでに、公文のプリントを2枚、漢字の読みゲーム、ピアノの練習も自分からやった息子。それが終わると「ちょっとゆっくりしていい?」と聞いてきたので、「いいよ」と言って、甘いものを1つ息子に出してあげた。母の役目は、安心させてあげること、そして、美味しいものを食べさせてあげること。いや、そのくらいしか、できないのだ。

息子が甘いものを食べながら、好きなアニメを20分ほど見ると、学校に行く時間になった。「そろそろ行こうか」と声をかけると、「うん」と元気よく息子は返事をしてくれて、アニメを消し、ランドセルを背負い、母と一緒に出発した。

学校までの道でたわいもない話をする。葉桜がきれいだね、とか、ここからの景色で何が見える?とか。息子からの質問に私が答えることも多い。楽しいことだけを話すように努めている。だって、これから行くのは息子にとって「ずっとがんばっている」学校だから。

学校に着くと、私が休み時間を間違えていたことに気づいた。生徒が誰も外で遊んでいない。慌てて息子を下駄箱で上履きに履き替えさせ、「ごめんね。休み時間終わっちゃってた。急いで教室行って」と、見送ろうとすると、サポートの先生がすぐに声をかけてくれた。
「大丈夫、まだ始まったばかり。焦らなくてよいからゆっくり準備して行こうね」と優しいひとこと。ここで慌ててしまった母は反省。こういう先生がいつもそばでサポートしてくれるのはとてもありがたいことだと実感する。
※小学校には、担任の先生以外に授業をサポートしてくださる先生が数人いて、各教室を回っている。常に困っている子がいないか見てくれているのは、この小学校に転校してきて良かったと思える1つである。
サポートの先生は、息子と一緒に教室に入ってくれた。

息子を送っていったあと、5分~10分は下駄箱から廊下を見ている。以前、息子と約束したのだ。「もしも、教室に入って不安になっても、しばらく外でお母さんは待っているから、何かあればお母さんのところに来てね」と。
1年生の頃は、教室に入っても、何度も何度も手をふりに廊下に出てきた息子。でも、この日は、そのまま授業に入ったようだ。
何度も何度も振り返りながら、私は、ゆっくりと学校を出た。

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