「大学講師で一番大変なことはなんですか?」(大学講義コラムvol.1)
「興味を創出し、気づきを与え、意識変化をさせる。
やがて、それが行動の変化となる」
*上記、私の大学での講義フィロソフィーです。
初めまして、主にウェブマーケティングのクライアントワークや講師業を生業としている株式会社イーグッドの榎本晋作と申します。
私、未熟者なのは承知の上で、恐れ多くも、大学で非常勤講師業をやらせていただいているのですが
「せっかくなので、大学や企業研修、はたまた自社でのセミナー業で培った教育方法を世の中にちゃんと伝えたい」
とふと、最近思っておりました。
そんな時にふと、
「ん、なんならnoteでもはじめてみるか!」
と何か(ア)イデア(a idea)に近いものが落ちてきた次第です。
まぁ、そのような心の中で「様々な経緯(いきさつ)」があり、せっかくなので、この機会にnoteでQA方式のコラムにて(不)定期更新できればと思いたったのでスタートしてみます。
*前置きが意味不明で申し訳ありません^^;
とりあえず、形式は毎度、「質問への回答形式」で、そこから、「教え方」に昇華させていただく形を取らせていただければと。
*気分と運用方針と読者の反応により若干変動しますことをあらかじめご容赦ください。
とりあえず、最初の質問は、
「大学の講師って何が大変ですか?」
です。
*本当は
「大学講師ってどうやってなるんですか?」
が一番多いのですが、これはちょっと別機会に書かせていただこうと思います。
ブランディング論の講義で、元インターン生のPRスペシャリストでブロガーの多葉田愛ちゃんに来てもらった時の写真。余談ですが、年齢が近く、変わった生き方をしている社会人の話を3分くらいまぜると学生の興味が創出されるみたいです。
さてさて、これなんですけど、大変なことは
「特にありません。」
いや、いきなりなんともつまらない回答で申し訳ありません。。。
実は、細かくあげると
・リアクションの薄い学生に対し、興味を創出させることが大変
・毎回パワポ100枚くらい作るのがきつい
・学校が遠い
・学食で学生と間違えられる
・学生へのLINE回答が結構大変
など色々とあるのですが、これは別に"教育"という仕事においては、みなさん当たる壁だと思いますので、大学特有のものでもないかなぁと。
*ただリアクションの薄さに関してははかなり特殊なので、どこかでまた配信しようと思います。
さて、「大変なことがないです!」で終わったら、ここまで読んでいただいているので大変失礼になってしまいますので、いったんアイデアを絞り出します。
あ、ありました・・・。
大学特有のもの。
そうです、
「テストの採点」です!
私の講義(ブランディング論、インターネットマーケティング論)は、最高で、180人くらいの学生がを受講してくれているのですが、成績はもちろんテストでつけます。
つまり、採点は180人分!(正確には離脱者などがおりますので、若干の変動はあるのですが。)
テストは、
「マーケティングは暗記より発想力!」
という方針でフル論述の試験にしておりますので、これは正直かなり大変。
試験から数日は、テスト採点がプロジェクト化します。
*ただ、マークシートにすることで、教育の軸をぶらすのもどうかと思いますので、そこは手を抜きたくない。
ただ、私はまだ1科目(年間2科目)ですが、他の先生は、半期で5科目なんてザラなので、そっちはかなり大変だと思います・・・。
さて、ということで今回は
「学生が即社会で使え、かつ採点もしやすいテストの作り方」
について少し紹介できればと。
(前置き長すぎですよね、すいません。)
ちなみにテスト問題はこんな感じです。(2018年Eコマースとマーケティング。ちなみに準備に時間がかかるのでテスト問題は1ヶ月前には発表しちゃいます。)
↓
「テスト作りで大事なのは、フォーマット作りと採点基準の透明化!」
私の講義のテストテーマは、
「新規ブランドや事業構築の際の提案書の書き方」
「企業分析と自己分析」
など「答えがあるようでないテスト」にしています。
講義のまとめ的なテスト問題ならキーワード抽出だけで採点できるのですが、こうなると、結構読み込まないといけないので、かなり採点も大変でして。。。
あ、講義のまとめ的なテスト問題は例えば
「ウェブマーケティングのプロジェクトマネージメントについて、円滑に進めるために有効な方法について講義に出てきた手法やキーワードを使い論述せよ。」
的な感じで、私が講義でしゃべったことを頭に叩き込んで書けばよい問題です。
ただ、個人の私見で
「いや、現場では、それは本読んで資料に落とし込めばええやん!
将来選択の前なんだから、1人1人、将来に向けての気づきを得てほしい!
(かつ、テストは就活や進路選択に役立つ!)」
みたいな思想を持っております。
ですので、テストの論述は、
「学生1人1人が必ずオリジナルになる回答」
になるように作っています。
これは、読んでいる方もおもしろく、やりがいは個人的には満点!
*ちなみに教室のキャパ的にカンニングを防ぐのが難しいので、カンニングの意味がないテストにしているという意味あいもあります。
「答えがあるようでない論述テストは採点が曖昧になるのでは?」
という声も聞こえてきそうですので、ここからはその対策について書きたいと思います。
お気づきの通り(誰がやねんとは言わないでください)
「答えがあるようでない論述テスト」
にすると、回答の採点基準もなくなってしまい、また採点も自分の気分で変わってしまう不安定なものになってしまいかねません。
ですので、個人的に感じたテスト作成のコツは、下記3つ。
1.一応フォーマットは作ってあげる
(1〜16まで16項目で書く的な。提案書の型も教えられるので一石二鳥)
2.番号ごとに配点基準を事前に発表
3.サンプル回答をスライドシェアにアップロード
あと、一番効果的だったのは「解説講義」を丁寧に2回くらいすること。
学生の最初の欲求は、まずは「単位をとること」ですので、テスト解説講義は、かなり吸収力が上がるので、個人的には、講義のエッセンスはテストとテスト解説講義につめるのが一番大事だと思います。
とりあえず論より証拠なので、テストの解説講義のスライドつけておきます。(*学生向けなので、だいぶゆるいスライドになっていますが、ご容赦いただけましたら幸いです。)
■2018年の『Eコマースとマーケティング』のスライドのテスト解説講義のスライド
*ちなみに過去の講義も下記にだいたいアップしてますので、ご興味ございましたら。(一部講演スライドなども含みます。)
https://www.slideshare.net/shinsakuenomoto/presentations
本日はここまでにさせてください。
次回は、どんなネタを書こうかまだ迷っているのですが、多分、大学生に興味をもってもらうポイントとか書こうかと思います。
何かアイデアがあれば下記の質問箱(peing)までいただけるとうれしいです。
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*榎本晋作のプロフィールは下記ページにございます。