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素晴らしい旅立ち

2024/4/7(日)
今日はとてもいいお天気でした。
また、ご近所の桜もあちこちで咲き誇っていました。

そんな暖かい午後に父は旅立ちました。
幸いなことに私はその瞬間に立ち会うことができました。

昨日から来てくださっていた叔母が帰ろうという段になり、最後に挨拶をするために、父の枕もとに集まっていました。
いざ、出発となっても、なかなか叔母が父の前を離れることができません。「もうちょっとここに居てもいい?」と言い出したので、その場で雑談を続けていました。
父もある程度目が覚めていたようで、うっすらと微笑みをうかべ、まるでいっしょに話に参加しているかの様子でした。

既にかなり血色も悪くなり、爪の周りも紫色で、肩で息をしていた父でしたが、急に呼吸を止めたように見えました。
あれ?と思い脈をとろうとしたのですが、とり方が悪いのかよくわかりません。
その後に、コホっと小さく咳をするような、ため息をつくような動きが二度ほどあり、その後静かになりました。

まだ旅立ったかどうかもよくわからないのですが、ああ、旅立ったんだという確信はありました。
思ったような悲しさはありませんでした。
私も含めて三名で話をしていたところでした。
「ああ、ちゃんと旅立てたね。よかったね。思っていたよりずっと穩やかやんか。ホンマによかったね」と感じました。

悲しくないわけがありません。でも苦しむこともなく、とても良い表情で最後を迎えることができました。
本当に、本当に自宅で看取りをして良かったなと思いました。
病院に入院していたら、こんな納得感や満足感は得られなかったように感じます。

その後、訪問看護さんにお越しいただき、さらに医師の先生に来ていただいて死亡を確認していただきました。死亡確認時刻は 17:20 でした。

私は無事に父を看取るというプロジェクトを完遂できました。

本プロジェクトでは、たくさんの、本当にたくさんの方のご協力をいただきました。
ケアマネさん、
ヘルパーの皆さん、
訪問看護ステーションの皆さん、
訪問入浴の皆さん、
ベッドなど介護機器をご準備いただいた皆さん、
往診をいただいた先生、
「いつでも声をかけてね」と言ってくださったご近所の皆さん、
認知症に負けることなく、最後まで気丈に振舞い頑張り続けた母、
そんな母を心配して、毎週実家に通ってくれた私の長女、
そして何よりも、私を支え続けてくれた私の妻、
全ての人に、本当に全ての人たちに、最大の感謝を送ります。

ありがとうございました。
本当にありがとうございました。
皆さんのおかげで、父は一片の悔いもなく旅立つことができました。
こんな最高の看取りができた私は本当に幸せ者です。

このマガジンは本号で終わりです。
ですが、看取りをしたその瞬間から、次のプロジェクト「見送り」が始まります。

また、次のマガジンでお会いしましょう。
ご愛読ありがとうございました。

次のプロジェクト、「父を見送る」はこちら。
https://note.com/egao_it/m/mdea071ba5305

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