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水は命のバトンです。手渡す人の誠実さが未来への鍵。

この東京の山の中に住んでいて、「水が美味しいね」と言われることがある。

私は、11年ほど前、都心から引越ししてきたばかりの頃、蛇口から出てくる水に味がありすぎると感じて、飲み込めなかった。水の中に色々な要素が多い感じがした。イメージだけで言葉を使うなら、ミトコンドリア的というか、山の木々の気配を感じたというか、そういう感じ。すごく情報が多いと感じて、その水に慣れるのに三ヶ月くらいかかった。味噌汁を作ってもちょっと変な感じがして困ったものだ。逆に、都心で飲んできた水が無機質だと感じていたとも言える。カルキ臭だとか薬品ぽいとも。

私の住んでいる集落の一番奥に行くと、小さな川から水をホースで簡易浄水施設に組み上げている場所がある。その場所は、いつも散歩で歩く道から5分くらいしかないのに、人の暮らすエリアではないちょっと厳かな感じがする。それをみて、私はこの水を飲んでるんだな〜としみじみする。(去年の工事でそこには立ち入れなくなってしまって寂しい)その場所は、少し怖い気さえもするので、ちょこちょこ行ったりはしないけど、時折、あそこの水を飲んでるんだなぁと思う。都会ではあり得なかったことだ。


この水は、山に降ってきた雨で出来ている。山で天然の濾過をされて滲み出てきた水が小さな沢になる。

この水は、沢から小さな川になって、大きな川になって、大きな大きな川になって海に流れ出る。途中途中で、汚れた水だとか、どっかから流れてきた水なんかも合流して、一緒に海に出る。

海に出たら、太陽で水蒸気となって、また天に登る。

雲になって、どこかでまた雨になる。

水の旅。

グルグルグルグルと巡る。


もちろん山からも川からも水は天に登る。どのくらいの範囲内でグルグルするのだろう。盆地では囲まれた山のせいで、湿度や温度が高くなるくらいなのだから、ある程度は地域内でも循環しているのだろう。

私は、遠い国の水を飲むことまではしたくない。地域の水の循環を崩すようで不安になるから。


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日本でもペットボトルの水を買って飲む人が10年前と比べたら、すごく多くなったと思う。3.11の影響で、水道水の安全に疑心暗鬼になった人も私の周りには結構いる。

そういえば、25年ほど前にグアテマラに行ったとき、みんな当たり前にみんなが水を買って飲んでいて、日本の水が美味しくて安心なのだと遠い国で思ったものだ(話はそれるが、ワインはほとんどが紙パックに入っていて、やすいのに美味しいのにも衝撃を受けた)。

こんなことが2,3年前に話題になった。
飲料水のマイクロプラスチックは「健康リスクなし」=WHO
マイクロプラスチックは、体には取り込まれないで排出されるというが、多くのペットボトルの飲料水に入っているという事実がわかった。

何を選ぶのか、各自の判断に任されているのを忘れてはいけない。


マイクロプラスチックの発生源は、例えば家庭ゴミで言えば、服や化粧品、包装材、プラスチック製品の劣化などだという。

美味しい水を飲むために、ペットボトルの水を買い、それをちゃんとリサイクルに出さない人がいて、水を汚して、また安全ではない水に近づいていってしまう。自分たちで自分たちの首を絞めている気がしてならない。

そうは言っても、私もペットボトルも買う。でも、できるだけ買わないで済むようにボトルに飲み物を入れて持ち歩く。それでも、それも飲んでなくなる時があるから買ってしまうのだけど。だからルールに沿ってゴミを出す・・・っていうか、専用のゴミ箱に捨てるだけ。

以前、アースガーデン の連載「感じるために生きている」で、こんなエッセイを書いた。

いつかどこかの虹となる

地球上には、国境も領海もありますが、水と空気はお構いなしに、自由に動き、巡ります。水の使い方、排水の流し方、シャンプーや石けんの選び方などを調べ、小さい暮らしの工夫をコツコツと重ねていくこと。それが、巡り巡って旅をして、自宅の水道水としてやってきた”水”で、世界を、小さくても手堅く変えていくことにつながります。

フリースも楽ちんだけど、このことを考えると気が重くなってしまう。


アウトドアブランドのpatagoniaさんで、洗濯ネットを販売している。普段使っているのと比べるとすごく高価だけど、1枚は買ってみようと思う。
グッピーフレンド・ウォッシング・バッグ

化繊衣類を保護すると同時に、洗濯によって抜け落ちるマイクロファイバーの川や海への流出を削減します。衣類をグッピーフレンドに入れて洗濯した後、バッグ内に残ったマイクロファイバーを取り除き、適切に処分できます


この森の中の我が家で、裏山の美味しい水を飲み続けるためには、街の人にも、排水やゴミの出し方を丁寧にやってもらう必要がある。大袈裟だけど、大袈裟ではなく、全部の責任を、全人類で背負っている。


もちろん、山の上の方に住む私たちも、気をつけないといけない。気をつけなくていい人なんていないのが事実。


自分たちで、自分たちの首を絞めるのは、やめたい。

私も、町も、日本も、世界も。

みんなで安心な水をグルグル回そう。



水は、命のバトンです。

手渡す人の誠実さが未来への鍵。



都心で、立ち止まりたくなるほどの、とびきり美しい女性を見るたびに、きっといい水を飲んでいるに違いないと偏見を持って見てしまう。その因果関係はわからないが、美しく健康でいるために、水を買う人はたくさんいる。

そうならば、排水を気をつけないといけない。ゴミの出し方も。


・・・


戦争が起こっている。


戦争というのは、こういう日常の些細だけれども、とても大事な問題まで、どうでもよくしてしまう。ともかく今は戦争中なのだから、、、と。

普段なら、一人誰かを殺したら、裁判にかけられて一大事になるのが当たり前なのに、それも普段のルールが適用されなくなる。

いやだ。

自分の愛用品さえも、例えば自分の大事な陶器のコップだとか、そういう物さえ隣の国に逃げるのに、全部を持っていけない。気に入っている椅子も、子供たちのぬいぐるみの幾つかや、家族分揃えたスリッパも。


いやだ。

絶対いやなんだ。 

それぞれの国の責任者のお母さん、その子を育ててる時の日々の細やかな暮らしぶりを与えた人は、その子のことをどうおもっているだろう。。。家政婦さんがいて、なんでも買えて、私みたいなチマチマとした事などどうでもいいのかもしれない。。でも、女性のフラットさが欲しい。

どの国の責任者の人だって、その人なりの責任を感じてやっているだろうと思う。伝わってないことだってあるだろうし、ひどいことをされていることだってあろうと思う。

だから、NO!と言っても、仕方ない、誰だって戦争なんかやりたくないのだから・・と言われても嫌なものは嫌で、

「馬鹿だね、やめなさい!!!!!」そう一蹴してくれるような元気のいいお母さんみたいな存在が欲しい。どうしても男のケンカのような気がする。気の合う人や言うことを聞く人と内側をむいて決めて、そう、力のある人ほどつるむ感じがする。偏見だろうか?(そうでない男性のみなさん、ごめんなさい。あなたのことでは、ありません。)

そういうのから、解き放たれたい。

駆け引きじゃなくて、平和のための話し合い。最後にちょっとうちの国だけお得とか都合の良さを考えちゃダメなルール。

平和のための話し合い。

世界中の子どもたちが、「いいね!」と言わない限り決まらないとかだったら、最高。

ファンタジーか?

どうやったら現実になれるのだろう。


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美しくいるためには、戦争が一番ダメだ。

美味しい水のためにも。

人の尊厳のためにも。



読んでくださった方ありがとうございます。文章長いし、ファンタジーで、すぐに役立つ賢いことなどいえません。

だからこそ、自分でできる排水のことだけでも、できる範囲で気を付けたいです。

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                       

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