しっかり叱られる経験・・・それも愛情
彼は、いつも眠そう?な死んだ目をしていた。
いつもボスのそばにいて、ボスの指示に従っているように見えた。
「あいつの顔に落書きしてこい」
ホワイトボードマーカーでアニメヒーローに似せた線をクラスメイトの顔に描き込んだ。
やられた本人含め、水道で顔に描かれたものを落としながら、数人で笑っていた。
やられた本人も笑っていたので、「顔に落書きはやめようよ」という指導を入れるにとどめた。
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数日後、油性ペンで描いてしまい、水と石鹸では落とせなかった。
「自分がされたらどうなの?」
彼「お風呂に入れば落ちるでしょう?」
私「・・・?!」
『そういう問題じゃないでしょう?』
言葉を失った。
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元に戻せればいい?
連絡帳を書く習慣が無い彼ら。
毎日書かせるのは至難の業!
ある日、ホワイトボードに連絡内容を書いた文字の上に透明のテープを貼り付けてしまい、消すことも書き直すこともできなくなった。
そして、逃げてしまう。
彼のランドセルを確保し、「職員室で待ってます」と言い残して、職員室で待つことに。
ランドセルを取りに来た彼に職員室前で指導を開始。
ホワイトボードが修復不可能な状態であるにも関わらず、何故オレはここにいるのかわからない。といった態度。
次第に手持ち無沙汰になってきた彼は、掲示物を破き始めた!?!?
私と彼のやり取りを見ていた校長、掲示物を破いているのに、なんとも感じていないように見える彼にガッツリ叱り始めた!
校長「元に戻らないだろう?全く同じ紙を用意できるのか?」
ようやく彼がうなだれ始めた。
校長「・・・どうすればいいか、よく考えなさい。」と言って、後の指導は私に託された。
次の日
私「さぁ、どうするか考えた?」
彼「校長先生のところに謝りに行く。先生も来て。」
いつもと違う、目がイキイキしていた。
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トントン、何年何組〇〇です。
校長先生、昨日は〜〜ごめんなさい。これからは、〜〜気をつけます。
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校長室を後にした彼は、清々しい顔をしていた。
私の想像ですが、今まで、悪さをしてもボスと一緒にひとまとめに指導され、罪の意識も薄いし、自分から謝罪するような機会もなかったかもしれない。
この一件の後、彼は、私に話しかけてくるようになった。
悪いことをすると
「これ、お母さんに言わないでね」
私の判断で
「悪いと思うなら、次はやらないようにしようね」
「それは、お母さんにも知っておいてもらわないといけないから伝えるよ」
と、コミュニケーションが取れるようになりました。
サポートをいただきますととても嬉しくなります。いただいたサポートは、私の学びのアウトプットの原動力になります。