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生活、そして右往左往

自転車を手に入れた僕は、早速それを使って町中を行ったり来たりすることになった。学校の下見が終わった僕は、その後Vondellaanに位置する自分がこれから住む予定の家を下見に行った。部屋には机と椅子と戸棚、そしてクローゼットと何も被せられていないベットマットが置かれていた。部屋は20平方メートルあり、学生が住むには十分な広さを持っていた。

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トイレは近くの部屋の人と共有して使うことになっていた。キッチンは各々がフライパンや食器を持ちつつ、調理場は共有で使うことになっていた。冷蔵庫も共有で使うことになるため、話し合いながら使う必要がある。冷凍庫がないこともあり、ローテーションを組むことには少し難儀しそうだった。

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生活をするためには様々な準備が必要であることもわかった。

まず第一に家具の問題がある。小さな戸棚に細長く容積の小さなクローゼット、とにかく収納が足りない。次に部屋が全体的に暗く、勉強のためのデスクランプは必須だと分かった。そうした様々な家具を家から4キロ離れたところにあるイケアで購入し、配送してもらうことにした。

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また部屋の窓は閉め切った状態で扉も含めて通気性がないため空気がこもりがちで、初日から少し汗臭さが漂う熱い部屋であった。部屋の空気を循環させて温度を下げる扇風機も購入しなければならない。電気ケトルで部屋でお湯が沸かせた方がいいと思い電気店にも足を運んだ。

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帰ってきて、実際にケトルと扇風機を使おうとした時、僕は扇風機の組み立てにドライバーが必要であること、そしてオランダの特殊な形状に対応するための変換端子を買い揃える必要があることに気がついた。改めて電気店に戻りプラグを買った僕は、今度はGroningenの中心地にある工具店でドライバーを購入した。

そうして、生活のための準備が整ったと思った僕は、その日の夜、フライパンや鍋がないため、調理を行うことができないことに気がついた。仕方なくその日は近くの人から鍋を借りて、簡単なレトルトのカレーを食べた。久しぶりに食べた日本のご飯とカレーは、とても美味しかった。懐かしさはあまり感じなかったけれども、日本の保存食は凄まじいと感じた。

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他にも問題はあった。シャワーを浴びに行った僕は、この部屋のシャワーの床があまり清潔でないことに気がついた。着替えた洋服やパジャマ、洗剤などを置く場所がない他、シャワーの中で体を吹いたりすることが不便だと感じた。

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その次の日、またもやIKEAや食器店に足を運び、フライパンや鍋、コップにマグ。まな板、包丁、ヘラやボウルなどの食器と水切り、洗面所に置く足掛けや洗濯カゴを購入した。一回一回の往復ごとに大量の荷物を持っていかなければならなかった。そして、僕の自転車はそうした大きな荷物を運ぶには少し頼りなかった。後ろの台とチェーンを利用してなんとか荷物を留めて、道中何度も落としそうになりながら4キロ前後を往復するのはとても大変だった。

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帰ってきた僕はヘトヘトになりながら、買ってきた鍋を使ってパスタを作った。まだまだ自立には程遠いけれども、自分が購入したものだけで作ることのできた初めての料理だった。

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明日は大学の授業が本格的に始まる。教科書のpdfや授業のための動画ももらい、本格的に物理学を勉強していくことになるだろう。

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