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母子草

母子草、とても、以前のブログに於いても投稿が
かなり少ない部類の植物だと言える。
野山などを女性達とハイキングとかしている中で
『うわん、可愛いの、この花は何て名前なの?』と
聞かれて私は答える。大概のものは即答もできるが
そうでないものはIPHONEデータ(個人的に撮影を
した植物全ての画像データベースと文字情報全てが
ここに保存してあり、ここで検索ができるもの)や
植物サーチエンジン、グーグルレンズなどでによる
リサーチをしたりもする。


ただフィールドで、この母子草が咲いていたとして
ほぼほぼが『この花は何かしら?』と聞かれないの
がこの母子草だと思う。地味だし目立たなき場所に
生えててその立ち姿が、あまり美しくはない事から
女性の目にはとまらないからである。

母子草(ハハコグサ)の元々ついてた名前は這子草
(ホウコグサ)、茎自体が横倒しのままに伸びたり
するので、這う様に伸びる子の名称だったのを訂正
して母子にしたものである。という事から見てくれ
が悪すぎるので、私もコレを見つけて撮影を躊躇い
辞めることの方が多い植物なのである。


過去に私が撮影したものもだし、今回の写真とて
魅力的な写真になりにくい被写体である。だから、
ブログ全体を見ても投稿が少ない。


母子草は、春の七草のひとつに数えられていて
御形 (ゴギョウ) の呼び名をもつ植物。若いこの
植物の葉と茎をお浸しにして頂くもの。


文豪、夏目漱石がこの植物を謳った句がある。

『奈良七重 菜の花つゞき 五形咲く』
「ならななえ なのはなつづき ごぎょうさく」


正岡子規に宛てたこの俳句、正岡子規も夏目漱石に
へ俳句を送り返し、こちらは有名で誰もが知る句。

『柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺』
「かきくえば かねがなるなり ほうりゅうじ」


夏目漱石が謳ったこの句は、かつて松尾芭蕉が
謳った次の句へのオマージュとなっている。

『奈良七重 七堂伽藍 八重桜』
「ならななえ しちどうがらん やえざくら」

この芭蕉の句は、かつて繁栄した平城京への想い
を綴った句となっている。




夏目漱石は奈良の地にて、菜の花の後に咲いていた
母子草を詠んだわけだが、菜の花はそれが咲けば
辺り一面の風景が変わる程の華やかさを持つもの。が菜の花が終わって咲いた母子草はひっそり静かに
目立たたない様に咲いている。夏目漱石は同じ黄色の花ながら、艶やかに咲かせた陽としての菜の花、それに対比して陰としての母子草。これを詠んだ。


松尾芭蕉の句にも詠われていた、かつての平城京が
廃れていく姿を憂う句に、重ねた句だったのだなとこの句の解説ない中、私なりの勝手な解釈となる。


先人の方々の句に込めた想いが合っていればなと
思うものである。



和名 母子草 (ハハコグサ)
   這子草 (ホウコグサ)
   御形 (ゴギョウ)
   御形 (オギョウ)
洋名 コットン ウィード
   (COTTONWEED)
学名 プセウドグナファリウム アフィネ
   (PSEUDOGNAPHALIUM AFFINE)
分類 キク目、キク科、ハハコグサ族
種類 一年生、二年生草本
   春の七草
草丈 10〜40cm
開花 春〜秋
花色 黄
原産 朝鮮、中国、インドシナ、マレーシア
渡来 古代
言葉 いつも想う
   無償の愛
   忘れない
撮影 大阪市淀川区

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