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トレッキング 奄美大島 金作原 原生林ツアー



2022年11月、カヌー強化合宿を目的として
枚方市カヌー協会の面々が訪れたのが奄美大島。
鹿児島本土と沖縄本島のほぼ中央に位置する自然
の豊かな島のひとつである。


日本全国津々浦々、各地の事を知り尽くされてる
ツアーのプロが我が協会には居られて、カヌー等
ウォーターアクティビティについては当たり前と
して、その土地の見るべき神スポットを押さえて
下さるのがとても嬉しい。


そんな奄美大島で、一番最初に体験したツアーが
今回紹介をさせて頂く、金作原(キンサクバル)
原生林トレッキングツアーである。 


トレッキングとは書くものの、老若男女の誰もが
歩き回るツアーであり、言う程にハードなもので
なく、どちらかと言うと、私の大好きな自然探索
ガイドツアーである。奄美大島とは言え、男の子
が大喜びする甲虫類もあまりいないし、女の子が
顔を輝かせる様な綺麗な花もそんなに多く咲いて
いる訳でもなく、子供には地味なツアーになると
思う。また、ご年配の方で杖をつかれておられる
方にも少ししんどいかもしれない。


さてまずは場所である。

下に示したのは奄美大島、その群島国立公園
ちょうど真ん中あたりにあるのが金作原である。


将来的にはここを含め、徳之島と併せ世界遺産の
登録が見込まれている原生林の地区となっている。

ここは、完全管理区画となっており一般人はこの
原生林に勝手に入る事は禁じられている。


ここは、金作原の原生林に入ることが許されてる
ツアーガイドオペレーターが居て、初めて我々も
入る事が出来る場所となっている。勿論、有料。
という事でゲートの中へと女性ガイドの後ろから
入っていく。本来なら動画でも記録をしておいて
写真と照らし合わせるのが良い。植物園などの様
にツーラウンドを回れるのなら、一周目はガイド
の解説に動画を走らせながらも自分の頭の中へと
情報を叩き込んでやり、二周目は単独でツアーの
通りにトレースして、解説を思い出しながら撮影
というスタイルがとれる。だが今回の様な一般が
勝手に入れない場所では解説を聞きながら撮影を
同時に進行するしかない。と、腹をくくりツアー
へGO!である。


早速というか、植物解説だけの内容となる。


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ホヤ ケリィ(HOYA KELLY)

ガガイモ科、ホヤ属の蔓性植物である。
硬質の分厚い葉がほんの数枚ずつなのがいい。
レアプラントにも数えられる植物となる。


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奴草(ヤッコソウ)

ツツジ目、ヤッコソウ科の完全寄生植物となる。
ヘンテコリン好きな私はそのカタチにもう大興奮。
命名は牧野博士によるもの。ツツジ目に決まる前
には植物の根に寄生する事から世界最大の花でも
知られるラフレシア目に分類されていたもので、
他の植物が持つ葉緑素がこれの中にはない事から
こんな色をしている。これもレアプラントである。


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瑠璃実ノ木(ルリミノキ)

リンドウ目、アカネ科、ルリミノキ属
常緑低木で瑠璃色の実が美しい常緑低木。
雪の結晶の様な花を咲かせる


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青野熊竹蘭 (アオノクマタケラン)

ショウガ目、ショウガ科、ハナミョウガ属
花はとても美しいものだが開花は6〜8月。
名前の青に対し、実は見ての通り赤い。


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白玉蔓 (シラタマカズラ)

リンドウ目、アカネ科、ボジョウジ属の蔓性植物
ちゃんとこの前の青、赤、に次いでの白をもって
きたものである。これを見た瞬間から白玉善哉が
無性に食べたくなった。童泣(ワラベナカセ)の
名もあって中々にユニークな植物である。ツアー
ではこういう別称についての解説をされ楽しい。


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南洋竜髭帯(ナンヨウリュウビンタイ)

リュウビンタイ科、リュウビンタイ属の常緑植物。株元の根茎が重なる様を竜の鱗に見立てての名が
付く羊歯(シダ)類の植物となる。

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レーシーツリーファーン(LACY TREE FERN)

シダ類の植物であるが、巨大に育つもので高さ
5mまでにもなる。


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シルバーファーン (SILVER FERN)

シダ類の中で葉の表層がシルバーのものとなる。


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ドゥーディア メディア(DOODIA MEDIA)

葉のギザギザ感とツヤ感とが相まって中々の
見応えのあるシダ類となる。


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西洋雄羊歯 (セイヨウオシダ)

葉の表面に細かく葉脈が入りとても美しいもの。
寒さにも暑さにも強い事から園芸用にも展開。


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食われ羊歯 (クワレシダ)

葉と葉の間が大きく開く事からこう呼ばれる。


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奄美羊歯 (アマミシダ)

葉形が丸みを帯びたものが綺麗に並ぶシダ類。
葉脈が浮かび上がっているのもその特徴となる。

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鼬羊歯 (イタチシダ)

葉形が揃い密集した形で生えるシダ類となる。


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杪欏 (ヘゴ)

草丈で約5m程までの高さになるシダ類植物。
それでも下からしか撮影できない。

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洞忍 (ホラシノブ)

ウラボシ目、ホングウシタ科のシダ類となる。
名前の由来は、洞窟の入り口辺りに生える為。

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大雉ノ尾 (オオキジノオ)

葉が整列しているその姿を鳥の雉(キジ)の尾に
見立てたシダ類の植物。葉の表面は葉脈などが
目立たずにシンプルな仕上がりとなっている。


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井ノ許草 (イノモトソウ)

井戸の周辺に自生することが多い事からそんな名
がつくウラボシ目、イノモトソウ科の植物。


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日陰杪欏 (ヒカゲヘゴ)

シダ類植物でありながら、10m以上にまで伸び
その葉の下を日陰にしてしまう植物。奄美大島を
起点に以南にしか日本国内には生えていない。
群生するそれを見上げると別世界に見える。ここ
金作原(キンサクバル)トレッキングツアーでの
目玉となる植物がこれである。



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ジュエル オーキッド (JEWEL ORCHARD)

和名では籠目蘭(カゴメラン)の名称がつく。
園芸ショップや植物園で植っているのを見る事は
あっても天然に生えているのを見るのは初めて。
葉模様がアミダクジみたいでとても楽しい。


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沖縄裏白樫 (オキナワウラジロガシ)

板状根を持つ樹木で、これを板根(バンコン)と
呼ぶ。樹齢が150年超えという立派な樹木。
映画ジュラシックパークでは、恐竜がこの板根の
間に玉子を産んでいるシーンがあった。


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木賊蘭 (トクサラン)

鬱蒼としたジャングルの中にひっそりと小さな
灯りが点った様な花である。暗い中で迷っても
これを見つけたら少しだけ勇気と元気が出そう。


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島大谷渡 (シマオオタニワタリ)

島国を渡って活躍される大谷選手と結びつけると
忘れない名前の植物。着生先でグングン伸びる
存在感のある植物である。新芽は天ぷらにして
食べる事も出来る植物。



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トラップ

これはマングースを捕える為のトラップとなる。
ハブ退治に沖縄を始め各所で放たれたこの動物、
危険リスクの少ない奄美黒兎などの他の生物を
食い荒らし生態系を破壊するということで悪者
にされた上に、仕掛けられている罠。奄美大島
ではマングースは絶滅させられたとの話もあるが
トラップはあちこちに残っている。


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ガイドをやられていた女性に、羊歯の事を質問を
したところ、シダは種類も多過ぎキリがないので
もう、放置してます、と言われた。

とある植物園でも、植物学の権威の先生に対して
こちらのシダはなんでしょう?と訊くと、ボクは
シダは好きではないのね、だからシダについては
ご自身で調べてくださいな、と言われた。

そう、シダはあまりにも種類が多過ぎて誰もが
目を背けてしまう植物のひとつである。だから
この記事を私自身も放置していたが、奄美大島の
記事を見つけた事だし、今年も南国に行くことが
決定したので仕上げることにしたのだ。シダ類の
記載は100%自信がある訳ではないが、大幅に
外れてはいないと思う。間違いが発覚すれば訂正
をしていく予定である。

シダ類が大好きな人にはこれ以上はない位に
豊富な種類で溢れかえっている場所である。


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