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勝利至上主義についてどう思う?~心を動かした体験~

昨今の風潮

「勝利至上主義」という言葉は悪い意味で使われがちである。

体罰の問題。
ルールの抜け穴をつくようなこと。
勝利よりも育成重視
今の結果よりも将来性を大切に
運動会の徒競走は、手を繋いでゴール!?

時代が変わり、価値観が変わっていくのは当然であるし、体罰など、どこから捉えてもいけないこともある。

数日前にあったミニバスの4年生以下の大会で感じたことも絡めながら、「勝利至上主義」について書いていきたい。

価値観の変化

時代が変われば価値観も変わるものである。
そうすると、過去の価値観が全て否定されることがあるが、それはどうなのかと思う。

例えば、体育の授業で補強運動、集団行動などを行うのは意味があるのか?時代遅れなのでは?と言われている。

確かに腕立てなどを何百回もやるのは意味がわからないし(中学生の時200回やらされたことがある!)、集団行動が乱れて1時間その練習をするのも理論的ではない。(中学生のとき1時間集団走で終わったことがよくあったが、どんな授業計画だったんだろうか?)

このような考えは今の時代、理論的ではないし、教育的に意味のあることだとも思えない。
しかし、元はといえば、戦争の軍隊の育成のために、根性、集団行動、忍耐力をつける意味でこのような考えが生まれており、時代の背景を考えれば納得できるものもある。(今は当然変わるべきだが)

このように、時代が変わって考えが変わっても、過去には過去の背景があるわけで、それを頭ごなしに否定することが良いとは思わない。

過去があって今があるわけで、過去を尊重した上で、今の時代に合った方法を模索するべきだと思う。

また、数年後には現在は過去になるわけで、現在の当たり前が未来の時代遅れになることも留意しなければならない。


育成年代の勝利至上主義について

ここからは専門分野のバスケットコーチングについて書きたい。

育成年代で「勝つこと」「育成、楽しく、将来性」ということは対立構造で語られがちであり、多くの場合、「勝つこと」が否定されている。

個人的な意見としても、成長の早熟な子に全部やらせ、他の子は伽の外にして戦ったり、暴力、暴言、留学生やエリート、早熟な子を乱獲して勝つことには、当然反対である。

そのようなことは教育的に意味が無いし、主役になれない子にも人生がある。

しかし、全力で勝利を目指すことには大きな価値があると感じる。

心を動かした体験

一昨日、ミニバスの4年生以下の大会があり、普段の上級生の試合ではどこか他人事な子たちで4試合を戦った。

1,2試合目は圧勝と、悲惨な内容での敗北。
(チームの方針上、1部の上手い子だけで戦うのではなく、4年生を中心にバランス良く全員にチャンスを与えている)

2試合目良くない内容で負け、雰囲気も、子どもたちも微妙な反応。
このままだと、ただ4試合消化した、普通の1日になってしまうなーと思っていた。

2試合目の後、「目標の全勝(大人は何も言ってないが、子どもたちが自分達で言っていた。)はなくなったけど、どうする?」と問いかけてみた。

子どもたちは「残り二つ絶対勝つ!」と話し、アップ、3,4試合目に臨んだ。

3試合目、白熱した戦いになり、ベンチの応援もヒートアップ!(一部3年生の奇声も混じっていたけれどww)

結果3点差で勝利!

みんな大喜び!

4試合目は、3試合圧勝している力のある相手だったので、「チャレンジしたら全部ナイスプレー!」「点差が離れても頑張り抜こう!」と試合前伝えた。(ある子から、「点差離されないから!」と反論されたw)

結果はコートもベンチも全員がFightし、クロスゲームで互角に戦っていく。

点差が開きかけたタイムアウトで、4年生1人1人に「勝てる?」と問いかけたら、4人全員が「勝つ」と答えた。

そしてまた2点差まで詰め寄る。

しかし結果は僅差で負けてしまった。

試合が終わった後、普段マイペースでそんなに喋らない子(試合では抜群の身体能力で活躍する)も含め4年生全員が泣いていた。

「勝利目指して全力で頑張ること」至上主義

きっと、大人が「勝とう」と手を掴み引っ張っていっても、このような悔しい感情にはならなかっただろうし、「勝つこと」をそもそも目標にしなければ、嬉しさも悔しさも大して感じなかったと思う。

「勝利」至上主義ではないが、「勝利目指して全力で頑張ること」至上主義で戦った結果、大きな感情の動きを経験することができたのだと思う。

みんなで応援したり、ハイタッチ、悔しがるのもチームスポーツならではだよね。

これって普段の学校生活や、家でDS(古い?)していてもなかなか経験できないことだよなーと感じる。

このような、大きな目標に向けて頑張り、大きな感情の動きを経験させてあげること。
これをコーチとして大切にしていきたい。

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