【わたしの自由帖】詩⑤「家」
殺風景だと思っていた住宅街も
歩いてると
いろんな家に出くわす
四角い家はもうあまりない
とんがり屋根の家
門のない家
雑草だらけの庭の家
更地
飾り棚を毎月かわいくデコっている家もある
バイオリン教えます
大正琴教えます
もちろんピアノを教える家も
可愛いのはピンクの壁の家
庭の片隅に梟の置物の置いてある家
そして、
角を曲がると
目抜き通りに面して
我らのマンション街となる
戸建には夢がある
どんな人が住んでいるんだろう
カレーの匂いがする
トルコ行進曲を弾いている
門前を腰を折って箒で掃いている主婦の方がいる
家
そこには
百あれば百通りの
家族模様がある
もちろん独り住まいの方も
それを守ってくれる家
安全で居心地の良い家
私はずっとそんな家に住まうことができるだろうか
世界中の人がそれをできるだろうか
私は散歩がてら
時々そんなことを思うのである
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