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新たなペースメーカーの形(神野大地選手の真摯な姿に感動して)

昨日の大阪国際女子マラソンは、松田瑞生選手の大会新記録の優勝で幕を閉じましたが、私たち夫婦にとっては、別の意味で、注目していた大会でした。

それは、夫婦で応援している神野大地選手が、人生で初めて、ペースメーカーを務めることになったからです。

昨日は、計5名の男子選手によるペースメーカーが配置されました。神野選手は、第1ペースメーカー、即ち、先頭集団をサポートする役割を担っていました。

夫婦で神野選手を応援するきっかけとなったのが、私が、ここ数年来応援して来た大迫傑選手と親交があり、その気さくなキャラクターに、夫婦共々惹かれたことに由来しています。

ただ、先月の防府読売マラソンで見事優勝を飾る前までの神野選手は、前半時点で、先頭集団から遅れることが続いていて、なかなか、彼の姿を見ながら応援することは出来ていませんでした。

それが、昨日のレースでは、先頭集団をサポートするペースメーカーということで、レース中継のほとんどの場面で、彼の走っている姿を見ることが出来ました(妻は、彼が走っている姿を見たのは、初めてとのことでした…)。

スタートの号砲が鳴り、選手たちが一斉にスタートすると同時に、神野選手も走り出しました。

その姿は、初めてのペースメーカーということが、直ぐに分かるくらいに、動きが固く、緊張感がひしひしと、観ている側に伝わって来る程でした。

実際、最初の1kmのラップは、設定ペースよりも5秒程遅くなり、緊張していることが、明らかに分かりました。

その後、緊張も取れた感じで、神野選手は淡々と、設定ペースを刻みながら、先頭を走る松田選手をサポートしていきました。

実は、レース前、ペースメーカーとして、男子選手が5人も付く状況に、私は、否定的な感情を持っていました。「大会運営上、より注目を引く為の手段の1つにさせられている!」と、憤りすら感じていました。

その気持ちは、神野選手の走る姿を見続けていて、どんどん変わっていきました。

彼のひたむきに走る姿に、ペースメーカーというよりも、『プロランナー・神野大地』としての責任感、真摯さを感じ、レースの後半は、自分の心が動かされている状態になっていました。

レース前は、憤りすら感じていたペースメーカーとしての存在の新たな形を示してくれたと思える、心の変化が起きた瞬間でした。

その後、無事に、そして、見事に、神野選手はペースメーカーの役割を全うしましたが、彼が先頭集団から離れ、コースアウトした際には、夫婦揃って、自然と、テレビ画面に映る彼に対して、「お疲れ様ー!」と声を掛けていたのでした。

次は、彼の出場するレースで、昨日のように、終始先頭集団を引っ張る神野選手の勇姿を見てみたい!と、心から思っています。

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