幽霊の詩
電車の音
窓に張り付いた幽霊のように
鳴くのがヘタな野良犬のように
反対側の外の世界は
だれか知らない人の影で見にくい
電気でできた線から流れてくる
何か知らない音がここまで連れてきた
1番後ろの窓際で
知らない場所を探すのが好き
ずっと前から変わっていく景色を見ている
古い家も
意味のわからない看板も
誰のものでもなくなったあの置物も
電車の窓からの眺は一瞬
だけど、鮮明に頭に残るあの生きた証
窓に反射する私の顔も
今なら少し、愛せそうだ と思う夕暮れ
聞きすぎて嫌になっちゃうあの曲にも
また色が蘇る
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