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【スクリーンで輝くお笑い芸人】Netflix「浅草キッド」を支える“あの人” 劇団ひとり監督が驚いた演技力

 読者の皆様、こんにちは。ここではお笑いというより、むしろお笑いに真摯に向き合っている芸人さんが好きな編集部員の佐藤レモナが、彼らの携わった映画を通して、芸人で見せる顔とは違う新たな一面をご紹介します。

 今回取り上げるのは、12月9日からNetflixで独占配信中の「浅草キッド」。劇団ひとりさんが監督・脚本を務め、大泉洋さん、柳楽優弥さんの主演でビートたけしさん誕生にまつわる物語を描きます。

 たけしさんの唯一の師匠・深見千三郎を演じた大泉さん、タケシこと若きたけしさんを演じた柳楽さんの熱演が光りますが、そんななかでも劇団ひとり監督が「本当に助かりました」と感謝しているのが、お笑いコンビ「ナイツ」の土屋伸之さんです。

 土屋さんは、タケシと後に「ツービート」を結成することになるキヨシを演じています。劇中のツービートの漫才を初めて見たとき、たけしさんの細かい癖を再現している柳楽さんの役者魂に感動しましたが、それ以上にテンポの良さと2人の漫才師としての佇まいに驚きました。俳優の柳楽さんをうまくリードしているのが土屋さんであり、自然すぎてそれがいかに難しいことか初回ではわからないほどです。

 実はすごいんです!

 劇団ひとり監督は、“芸人の雰囲気”を出したいため、漫才ができる、かつ浅草の匂いを知っているということで、普段から浅草の舞台に立ち、一般社団法人 漫才協会で常任理事を務める土屋さんが出演することになったそうです。劇団ひとり監督が土屋さんのすごさを語る映画.comのインタビューを以下に抜粋します。

 土屋くんには、ツービートの漫才のシーンは絶対に成立させないといけないという思いからお願いしました。以前にドラマ「べしゃり暮らし」で漫才の演出をさせてもらったのですが、みんな芸達者でも“芸人の雰囲気”を出すのが大変だったんです。これは本物に頼った方がいいなと思ったので、漫才ができて浅草の匂いを知っている、そしてどことなく雰囲気や立ち位置もきよしさんに似ているなということで土屋君にお願いしましたが、本当に助かりました。

 最初はスケジュールがとれなくて、柳楽さんと助監督がツービートの漫才の稽古をしていました。後日、土屋君が来て漫才の掛け合いをしたら、もう1回目から全然違うんです。テンポが出てきて、柳楽さんのことも引っ張ってくれて、急にツービートっぽくなったので、プロってすごいんだなって実感しました。最悪、芝居の部分はうまくなくてもいいなとも思っていたら、芝居もすごく自然にやってくれて、本当に頭が下がりました。これを読んでいる映画・ドラマ関係者がいたら、僕は土屋くんをおすすめします。

https://eiga.com/news/20211209/13/

 12月13日に放送されたニッポン放送「ナイツ ザ・ラジオショー」では、ゲスト出演した大泉さんも「本当に素晴らしかったです。肩に力が入っていない」と土屋さんの演技を褒めていましたが、実は土屋さんによると「大泉さんに褒めていただいても、自分がどうしていたかわからないくらい」というほど緊張していたそう。それを隠せた自然な演技は、劇団ひとり監督がおすすめするように、今後ほかの作品でも見られるようになるかもしれません。

 ちなみに、土屋さんの相方・塙宣之さんは“棒演技”に定評(?)があり、棒演技の方限定の劇団「劇団スティック」を旗揚げしているので、こちらの動向も今後注目していきたいです。

※お笑い好きに向けた過去記事はこちら。


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