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想定内という考え方。

先日、うちの奥さんが、仕事が5連休という日があって、久しぶりの出勤日の朝、とても心配していた。(うちの奥さんは、雑貨店でおもにレジ業務を担当している。)

「どうしよう。まだ、新しいレジに慣れていないんだよね。せっかく覚えたのに、忘れちゃったかも・・・」なんてことを言っていた。

そしてその日の夜、私が仕事から帰ってから彼女に聞いた。

「久しぶりのレジはどうだった?」
「うん、大丈夫だった」
「へぇー、じゃ、失敗しなかったんだね」
「ううん、失敗したよ。3回」
「えぇ、じゃダメじゃん!」と私が言うと
彼女は”ちちっ”と口を鳴らし、立てた人差し指を
顔の前で小さく横に振ると、真顔で私にこう言った。

「人はね、失敗する生き物なの。だからね、失敗は想定内なの。だから大丈夫。私の場合、失敗は3回までって決めているんだけどね」・・・だって。

わぉ!すごい!久しぶりに、彼女の言葉に感動してしまった。

「失敗は想定内」という考え方。いいなぁ。
(しかも、回数を決めているところがいい。)

確かに人は失敗する生き物だ。失敗することをまず、前提に考える。そうして失敗しなかった時には、自分を褒めて喜べばいい。失敗したときには「想定内」と考えて、また、やり直せばいい。

そう考えると、人は何でも乗り越えてゆけそうな気がする。(もちろん、失敗していいことと悪いことは、しっかりと区別しなければならないだろう)

人は失敗する生き物だ。それを前提に生きてゆく。ときに失敗したとしても、それは想定内のことと考える。だから何も悔やむ必要はないのだ。

うん、私も忘れないようにしよう。

それにしても、なんにも考えていないような顔して、時々、彼女はこんなふうに、私に大切なことを教えてくれる。

さて、今回はどんな失敗だったのだろう?
彼女はいつも、笑いながら私に教えてくれる。
それを聞くのがとても楽しみだ。

最後まで読んで下さってありがとうございます。大切なあなたの時間を使って共有できたこのひとときを、心から感謝いたします。 青木詠一