哀しい幸せ。
子供の頃、私は本当にひとりが好きで、いつも空想の世界にいた。
私はこの自分のことを、変な子供と思っていた。自分はまわりと”違ってる”と変な劣等感を抱いていた。すぐに泣いてしまうし、何を考えているのわからないし、他人と口も聞かないし、ひとりでいつも宙を眺めているような感じ。
人が気軽に冗談を言ったり、騒いだりしているのを、いつも不思議な気持ちで見ていた。
何がおかしいのだろう?どうしてそんなに笑えるんだろう?その後どんな気を使った言葉を、言わなきゃならないんだろう?
そんなこと思ってた。
なんて変な子供だったのだろう。
あまり、こんなことを書くと、自分でも心配になってしまうけど、でも、こんな今の私が、24時間フル稼働しているわけではなく、ちゃんと笑っているし、それなりに楽しい一日を過ごしている。たぶんそれは、みんな同じなんだと思う。
こんな弱々しい言葉の中でも、私は普通に幸せだと思う。それもみんな同じように。ただ、夜は心の影に隠れていたモノたちが、どこからともなくゾロゾロと出てくる。まるでトトロの中で出てくる”まっくろくろすけ”のように。見た目はなんだか恐いけれど、よくみれば可愛いもの、愛すべきものたち。
私のそれは、そういうものだ。
だから、本当の意味でのカナシミではない。
そのときの気持ちをごまかしても仕方がないので、これは私の日記と割り切って、思いのままに書いている。日々の中の、仕事だったり人間関係だったり、いろんな不満ややり切れなさは数知れず、それが人生と言えば人生だろう。
でも・・・。
忙しいって幸せだと思う。その中の苦しみも、そのときは気づかないけれど、それも幸せだと思う。哀しいって幸せだと思う。そのときは気づかないけれど、幸せだからこそ哀しいことに、気づいた人は本当に強い。
泣いたりわめいたり怒ったり。どんなにそれがみっともなくても、決して誰かを恨んだり傷つけたりしない。
その強さを優しさに、
ただ静かに変えてゆく。
今、そういう人になりたい。
最後まで読んで下さってありがとうございます。大切なあなたの時間を使って共有できたこのひとときを、心から感謝いたします。 青木詠一