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2022年に読んだ本

・日本の地政学- 北野幸伯
・新・日英同盟〜100年後の武士道と騎士道〜- 岡部伸
・美しい日本語- 金田一春彦
・国際法で読み解く戦後史の真実- 倉山満
・明治維新の意味- 北岡伸一
・転落- カミュ
・職業としての学問-マックス・ウェーバー
・縄文文明と中国文明- 関裕二
・中世イタリアの都市と商人- 清水廣一郎
・パンの科学〜しあわせな香りと食感の秘密〜- 吉野精一
・「日本」国号の由来と歴史- 神野志隆光
・明治、大正、昭和・・・親子で読みたい 精選「尋常小学修身書」- 監修 八木秀次
・お茶の科学- 大森正司
・安倍総理のスピーチ- 谷口智彦
・日本の美学- 執行草舟
・復讐- 三島由紀夫

・The Literary Churchill-Author, Reader, Actor- Jonathan Rose
・F. Scott Fitzgerald Under The Influence- E. Ray Canterbury and Thomas Birch
・Churchill's Bestiary-His Life Through Animals- Piers Brendon
・F. Scott Fitzgerald A Critical Portrait- Henry Dan Piper
・The Techniques Of Communism- Louis Budenz
・Ways Of Seeing- John Berger
・Beauty- Roger Scruton
・Britain's Encounter with Meiji Japan 1868-1912- Olive Checkland

短編
・花婿の正体- コナン・ドイル
・子どもパーティ- フィッツジェラルド
・恐喝王ミルヴァートン- コナン・ドイル
・捕われた影-フィッツジェラルド
・乗継ぎのための3時間- フィッツジェラルド

・Six Of One- F. Scott Fitzgerald
・The Diamond As Big As The Ritz- F. Scott Fitzgerald
・The Hotel Child- F. Scott Fitzgerald
・A Freeze-Out - F. Scott Fitzgerald
・A Christmas Memory- Truman Capote
・The Lost Decade- F. Scott Fitzgerald

「新・日英同盟〜100年後の武士道と騎士道〜」岡部伸
産経新聞前ロンドン支局長による日英関係に関する本。日本食の人気といった話題から、元捕虜との和解活動まで網羅しています。後の「安倍総理のスピーチ」でも感じましたが、和解というのは別に過去を否定する事ではなく、過去に一定の区切りをつける事なんですね。過ぎてしまった事は変えられない。大事なのは未来に向けてどうするか。武士道も騎士道も、日本の価値観も伝統的な欧米の価値観も、どれも永久的に相手を恨み続ける事を良しとしない価値観。だからこそ人間としての基本的な価値観を共有出来るし、何かあった際に和解も出来ると思いますね。

「美しい日本語」 金田一春彦
国語力や日本語の使い方に関する本がたくさん出回っていますが、煽るようなタイトルや内容ばかりで個人的には手に取って読んでみたいと思った事はありません。しかしこちらはシンプルに「美しい日本語」という内容で、敬語の話、上手に伝えるコツ、更には言葉の背景にまで触れています。言語というのはその民族や国の歴史と共に育まれてきたもの。だからこそ面白いと思います。

「パンの科学〜しあわせな香りと食感の秘密〜」吉野精一
「お茶の科学」 大森正司
私が大好きなもの、パンそしてお茶を科学的な観点から見つめた本。二冊ともにブルーバックスシリーズで、非常にわかりやすかったです。既に知っていた事柄であっても、科学的な観点から理屈がわかるとより知識が深まります。そして料理は科学とよく言われますが、そうした科学的な技術進歩や様々な工夫によって私達がお店などで何気なく見かけている物が登場しているわけですね。

「安倍総理のスピーチ」谷口智彦
スピーチライターという職業に馴染みがない日本。政治家は自分の言葉で話すべきという固定概念が強いのですが、政治家は政治のプロ(であるべき)ならば、スピーチライターはスピーチづくりのプロという事になります。そのスピーチライターの立場から見た安倍元総理のスピーチにせまった一冊です。特に興味深かったのは、安倍元総理の外交とスピーチが密接に関連していた事。そしてそのスピーチなどによって表された歴史観。

これは2022年の最初に読んだ「新・日英同盟」の一部箇所と重なる部分があると思いました。
次世代(あるいは未来の全ての世代)に謝罪や賠償を求めるのは、むしろ人類を「被害者」と「加害者」に分け、その分類を固定化させる事。固定化させる事によって被害者とされた側は永久的に謝罪と賠償を求める被害者になり、加害者とされた側は永久的に謝罪と賠償をしなければならない。謝罪と賠償をしても、一時的でまた何年か経ったらまた求められてしまう。双方とも過去に固執させる事により、現在を取り巻く脅威から目を反らせる事だって出来るし、憎しみとわだかまりが永遠の連鎖となる。そうする事によって得をする勢力(独裁国家やその肩を持つ側)がいるわけなんですね。一定の区切りをつける。区切りをつけたからと言って過去を美化するわけではない。憎しみの連鎖を防ぎたい。基本的価値観を共有する国々と共に未来に向けて歩みたい。安倍元総理にはその一心があったのではないでしょうか。

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