ルネサンス期の美術に関する洋書


「Renaissance」Andrew Graham-Dixon著

ルネサンス期と言われている時代を考察したこちらの本「Renaissance」(洋書)を読み終えました。
美術史でもあり、イタリア史でもあり、宗教史でもありますが、元々は1999年に放映されたBBCドキュメンタリーを書籍化したものです。

懐古主義、宗教中心から人間中心の考え方への転換と考えがちなルネサンス期の美術。
実態はそれより複雑で、地域や時代によって多様な発展を遂げました。
そして宗教や政治とは切っても切れない関係でした。
フィレンツェとヴェネチアでの芸術家や職人の環境の違いの話は歴史的な観点から見て興味深かったですね。何年か前にルネサンス期の思想家・詩人ペトラルカの書簡集を読みましたが、ペトラルカについての記述もあります。


「ルネサンス書簡集」ペトラルカ(岩波文庫)

ルネサンスとは古代ローマへの回帰でも、人間中心の我儘な社会を肯定するものではなく、人間とは何かという問いに対して新たな観点から考えて苦悩して向き合った結果。その結果を後世に残された作品で感じ取る事が出来るのではないかと思います。

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