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ディズニー映画「ウィッシュ」の感想 ※ネタばれあり

封切り2日目に映画館で視聴してきた。 公開したばかりというのに客席はまばらだった。 ネタばれ要素があるのでご注意ください 私はディズニーファンを自認しているが、 本作映画はひいき目に見て”佳作”という評価だ 100年の歴史を踏まえて今までの映画のオマージュがふんだんに含まれているのだが、それは下手をすると自己満足になりかねない要素だと思う。そういうのは物語のボディがしっかりしていてこそ輝きを放つもののはずだ。 本作を見ていて直後から腑に落ちなかったのは 「悪役の目的が

    • 瓜を破るの感想第1~8巻の感想

      瓜を破るを第1巻から8巻まで読んだ感想です。  たまに広告などで入ってきていてかわいらしい絵柄に対して結構重いテーマを扱ってるんだなというのが第一印象。  ためしに読んでみるかと読んでみると惹きこまれるものがあった。続きが気になる。おそらく決して男性向けのテーマや内容ではない。のにもかかわらずだ。  これは女性作者だろうなと思うような視点がふんだんに盛り込まれている。(実際に女性作者だった。)  現代社会の抱える病理とでも言おうか 特に女性が味わうであろう等身大の心情がキ

      • 侯爵嫡男好色物語 コミカライズ第5巻の感想

        原作小説がエタりかけて非常にはらはらしている本作、 コミカライズ巻末にて作者AL氏の新しい文を読むことができる エルシニアの病禍はまるでコロナ禍を象徴するようであると改めて思った。本作が執筆され始めたのは2016年であるからコロナ禍に発想を得たものではないことは明確だ。(それよりも前に発想されている。)  AL氏の作品の特徴として、物事を単純な一面性で描かないというものがある。特に主租を主体とする貴族の言動には必ず二面性があり、表現型と裏に秘められた意図が一致していないこ

        • 悪食令嬢と狂血公爵の感想

          コミックス第6巻まで読んでの感想。 まず、絵がとてもうまい。ヒロインの愁いを帯びた表情など表現力が高い。強面のキャラクターもかき分けれていて画力の高さが伺われる。 話の筋がとても素敵だと思う。ほっと一息つけるやさしい物語だ。もちろん取り巻く環境は甘いことばかりではないが、キャラクターたちが生き生きとしている。 主人公のヒロインはオタク気質で研究にのめり込むタイプ。読者の共感を得やすい部分ではなかろうか。 転生モノでもなければ、悪役令嬢ものでもないのでテンプレ的に感じる

        ディズニー映画「ウィッシュ」の感想 ※ネタばれあり

          荒野の花嫁の感想

          完結した3巻まで読んだ感想。 「なんなんだこれは。」 物凄いスケール感の物語が出て来たなという初感 しかし構想をまとめきれず伝えたいことが散逸している印象は否めない 破天荒がゆえに展開は全く読めなかったが最後は打ち切られたのであろうエンド 物語の結末は救いがある感じでよかった もっと産み・育てそして人類社会の発展とともに物語がある感じを期待したが結局は原始の価値観のまま走り抜けて終わってしまったことは残念 作者の脳内にはどのような物語があったのか。この物語をどうしたか

          荒野の花嫁の感想

          悪役令嬢が恐怖の覇王と政略結婚する罰は甘すぎませんか!?の感想

          コミックス第3巻まで読んでの感想。 コメディタッチで話が展開していきすんなりと2人が結ばれる。 少女マンガのカテゴリだがしっかり2人が体までも結ばれるのはいっそ清々しい。結婚してるのに何もないのは婚姻自体を否定していると捉えられる時代背景を考えればむしろ本作は正道を行っている。(何しろ血筋=子孫を残すのが大正義のはずだから) ストーリー的には原作からも2巻で綺麗に完結しているが 3巻で漫画オリジナルストーリーが展開される 全般的に好感が持てる物語の作りでスッキリとした

          悪役令嬢が恐怖の覇王と政略結婚する罰は甘すぎませんか!?の感想

          妹に婚約者を譲れと言われましたの感想

          コミック第7巻まで読んでの感想 まず絵が上手くて、話も面白い。 面白いのだが 神の一部でもある竜が人間ごときに興味を持って助けるだろうか? というところは引っ掛かる 「髪の毛の色が綺麗だったので失うのが惜しかった」 んんん~~~~~? まあいいでしょう その後も実の親が長女をまるでためらいもなく放逐し無能な我儘妹の方を取る選択もありえない。 権謀呪術を展開して日夜生き残りを懸けているはずの貴族がそんなバカな判断をするだろうか?”追放物”にはよくある問題だが、追放の行為の

          妹に婚約者を譲れと言われましたの感想

          超弩級チート悪役令嬢の華麗なる復讐譚の感想

          コミック2巻まで読んでの感想 なんというか壮烈な漫画w 一番近いなと思ったのは 漫画「終末のワルキューレ」 劇画的な表現に近しいものを感じた ヒロインの表情とか近しいものを感じません? ここまで振り切れてると爽快な気持ちになってくる ジャンル「少女マンガ」は嘘でしょと言いたくなります 2巻までではストーリー的にはほとんど進んでいないので 続きが気になる漫画です

          超弩級チート悪役令嬢の華麗なる復讐譚の感想

          悪役令嬢に転生したので、隠れハイスペ王子と破滅の運命を回避します! の感想

          コミック第1巻を読んでの感想 タイトルからはありきたりな展開を予想できなくもないが、絵が可愛かったので興味を惹かれた 1巻の内容ではそこまで核心的な部分まで物語が進んだとは思えない それにしてもいきなり求婚されたモブ王子がいい人過ぎて… 明らかにヒロインの挙動がおかしいのに受け入れてしまうのが凄すぎる(まあそうしないとお話にならないわけですが) ヒロインも破滅回避のためとは言え心惹かれてそうなので上手く行って欲しいなと思うが 往々にしてこのタイプの作品はヒロインは超鈍

          悪役令嬢に転生したので、隠れハイスペ王子と破滅の運命を回避します! の感想

          異世界召喚は二度目ですの感想

          コミックスを10巻まで読んでの感想。 最近アニメ化された本作。それなりの巻数を重ねているのできっと面白いだろうと思い読んでみた。 余談だがキャラクター原案は”嫌パン”で著名な40原さん。 異世界召喚が二回目なので経験も力も最初から備わっている。 さぞかし楽勝な展開・・・と思いきや バチバチなバトルが続いて思ったよりもガチなバトル漫画だった。 しかし登場人物に甘さが目立つ 相手を殺すことのできない主人公 倒した相手にとどめを刺したか確認しない”神” そんなガバガバで厳し

          異世界召喚は二度目ですの感想

          この世界がゲームだと俺だけが知っているの感想

          コミカライズ10巻まで読んでの感想。 名作と名高い作品だったので期待して読む。 打ち切られる作品は2~4巻で終わってしまっていることが多いので10巻まで続いている時点で一定のクオリティは保証されたようなものだ。 基本的にテンポよく物語が展開していき読者を退屈させない 無理筋の超展開もなく世界観になじむことも難しくない 少年漫画的で、安易なラブロマンスの方向に行かず物語の面白さだけで指し通した姿には敬意を覚える。 30、40台の元ゲーマーにはぶち刺さる話だろうな~とも思

          この世界がゲームだと俺だけが知っているの感想

          祝!侯爵嫡男好色物語更新 第287話「株券」

          https://novel18.syosetu.com/n9598df/286/ 長らくの沈黙を破り、侯爵嫡男好色物語が更新された。 作者のALさんがメンタルをやられている感じのツイートをされていたので非常に心配していた。 今回も、本作の重厚な世界観を構築する緻密な舞台設定が語られる回だった。中世ほどの文明レベルで、主祖という圧倒的強者が存在するエルオ大陸には当然株券などという甘っちょろい(あくまでも当地の感覚)ものは存在しない。 そこへウィルクが… 株券を推進する理由

          祝!侯爵嫡男好色物語更新 第287話「株券」

          元獣医の令嬢は婚約破棄されましたが、もふもふたちに大人気です!の感想

          コミカライズ版を4巻まで読み切っての感想 主人公は女性視点のなろう系転生でよくあるぶっとんだ行動パターン。命知らずで自らの危険を顧みない。 痛快なのだがよく考えるとそれはやばいだろ…と思わなくもないがそんなことを気にしてはいけない。うん。 テンポよくストーリーが進み好感を持って見ていたら 3巻のラスト→4巻では大変驚いた。急展開すぎん?しかも結構時間経っとる。 主人公のバックグラウンドが転生先の世界にあるというのも本作の興味深い点として挙げられる。

          元獣医の令嬢は婚約破棄されましたが、もふもふたちに大人気です!の感想

          「侯爵嫡男好色物語」の感想①

          「ウィルクよ、俺はお前になりたかった」 本作の感想を極めて凝縮して一言で表すならば上記の通りとなる。 自分の本作の入り口は漫画だったが、小説版を読んでその世界観に引き込まれた 今までで一番納得感があり没入できたなろう系作品だといって間違いない。今後もなろう系を見るときはこの作品を指標に考えていく自信がある。 https://novel18.syosetu.com/n9598df/ 本作の世界観設定は非常に精緻であり、読んでいても納得感が強い。物語の展開もご都合主義的展開

          「侯爵嫡男好色物語」の感想①

          なろう系の「追放」パターンについて思うこと

          なろう系物語の1つのテンプレートとして「追放」モノがあげられる。その中でも”PTから追放されました”パターンについては強い違和感がある。  まず、PTにとって必要不可欠なコアメンバーを追放してしまっている 実力を過小評価して不要だ!と追放してしまうわけだが、あまりにも目の穴が節穴すぎないか? 命がけで冒険に挑む人たちとしてはリスクマネジメントが甘すぎるしよくそんなので今まで生きてこれたなと首をかしげてしまう。 その時点で残ったPTメンバー(追放した側)は全員無能ということ

          なろう系の「追放」パターンについて思うこと

          Evan Call「戦神」の感想

          この曲は、鎌倉殿の13人の劇中歌であり、インストゥルメンタルオーケストラである。 源義経をテーマとして書かれていることは明らかで 破天荒な型破りの戦の天才が与える衝撃の大きさを序盤で表現し、 中盤ではその進む道の先には破滅しかないことをにおわせる 同時に人間としての義経の愛らしさ、切なさも同時に表現している。 滅びることが分かっていても生き方は変えられない。 作中の源義経という人間をよく表した一曲ではないだろうか。 鎌倉殿の13人を全編観終わったあとでサントラを視聴して

          Evan Call「戦神」の感想