私たち日本人には日常に美しさを見出す天才DNAがある
生き甲斐 -Ikigai-
Ikigaiという言葉がなぜか海外でブームになっている
人生において、情熱を注げるものであったり、
大切にしている価値観であったりというものを生き甲斐と呼ぶと
自分自身は、解釈をしている。
これまでの人生の中で、この生き甲斐という言葉自体を、
特別視したことは今まで一度もなかったが、
やけに、海外で流行り出しているため、
逆輸入的な感覚でこの言葉が気になり始めた。
事の発端は、2004年より、日本に在住している、
とあるスペイン人著者らが書き記した2016年に発売された「Ikigai」という1冊の本である。
BBCや世界経済フォーラムらがikigaiという概念を取り上げるようになったことも、どうやらブームの火付け役にもなっているようだ。
多くの日本人は、今、生き甲斐という言葉が世界でブームとなっていることを知らないだろう。
口寂しい -Kuchisabishii-
昔、ロンドンで、Dating appを見ていた際に、
(余談だが、こちらロンドンでのdating app利用率は物凄く高い)
「A random fact i love is (私の好きな豆知識は)
”Kuchisabishii” 口寂しい
“When you are not hungry, but you eat because your mouth is lonely”」
とプロフィールに書いているロンドンのイケメンが自分の画面にふと現れた。
お腹は空いていないけど、口が寂しがっているから、何かしらを口にする。
この表現があまりに的確で、これまで名前がついていなかった、
現象、感覚にぴったりの表現が日本に存在することへの関心が寄せられていた。
私たちは、当たり前に使っていた言葉が、まるでアートのような感覚で、海外の人の心を揺さぶっている姿を目にして、我々日本人は、ちょっとして不思議な感性を持ち合わせているのか?と疑問に思う。
侘び寂び "wabi-sabi"
他にも、Wabi-sabiという言葉も近頃海外で生活していて、
目に、耳にすることが増えてきている気がしている。
自分自身、恥ずかしながら、
世界のWabi-sabiへの反響をきっかけに、この侘び寂びの意味を深く理解するようになった。
この意味を知った私自身も、あまりの言葉の美しさに驚愕し、侘び寂びのこの4文字にこの世の美を凝縮したかのようなシンプルで豊かな表現に脱帽した。
なんとも、日本には美しい言葉が存在するのだろうかと誇らしく感じられた。
言葉がなければ思考ができない
英語を学ぶ身として、日本にしかない特有の言葉の表現が存在するという事実を度々実感する。
また、言葉の持つパワーも実感する。いわゆる言霊というやつだ。
シンプルな表現が多い英語に比べ、日本語はある意味ディープで複雑なところがある。そしてこの日本語の豊富な言葉の表現方法に比例して、日本人の思考の織り成す色も豊かとなりうる。
思考から生み出される感性から、日常に美しさを見出すことを得意とするのは、実は今の現代日本人にも、同じ言葉を話し続けている限り、受け継いでいるのではないかと思う。
眠り続けている日本人の美のカルチャーに、世界は憧れと尊敬の念を抱いている。
日本において、悲観的にみる日本人も少なくない。
ただ、私たちには、美しい感性、カルチャーを備えている。
ここには、常に誇りと自信を持っても良いとロンドンに住みながら強く感じるのだった。
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