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【映画】ラーゲリより愛を込めて(感想)

あらすじ

太平洋戦争終結時にソ連は自国の労働力不足を補うため、日本人を捕虜としてシベリアに連行する。
連行された先の強制収容所(ラーゲリ)は不衛生、極寒、わずかな食糧といった過酷な環境下で、日本人達は絶望の毎日を送っていた。
そんな中でも捕虜の一人である主人公の山本幡男は、仲間を励まし、希望を捨てずに生き抜こうとする。
山本に感化された周りの日本人達も少しずつ希望を見出すようになり、11年に及ぶ抑留生活を生き抜くのであった。


感想

いつ日本に帰れるか分からないという絶望的な状況、私ならまず気力が衰えて、体調も崩し、すぐに死んでしまうだろう。

そんな中でも自らのことのみならず、他者のことも気にかけて思いやる山本幡男という人の素晴らしさと強さを感じさせられた。

幡男が自身の息子たちに向けて贈った言葉の中に特に印象に残った言葉がある。幡生の生きざまを現した言葉だ。

「最後に勝つものは道義であり、誠であり、真心である。人の世話にならず、人の世話は進んでせよ。無意味な虚勢はよせ。立身出世などどうでもいい。最後に勝つものは道義だぞ。」

この言葉に出会えただけでも、この作品を見た価値があると思える言葉だった。

私自身、仕事をしていて偉い人がパワハラで部下に訴えられるような状況を見ることがあった。
その際に思ったことは、結局大事なのは仕事が出来て偉くなるという事よりも、人としての在り方なのだということだ。

そんな考えが頭の片隅にあったので、この言葉には深く共感した。
人として道義を大切に人のために生きるということは、時代が変わろうが環境が変わろうが変わらない最も大切なことなんだなと実感させられた。

感動あり、涙あり、北川景子が美しい三ツ星作品でした。



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